編集部が気になる腕時計 Vol.3
Penエディターが個人的に気になっている時計を紹介。今回のテーマは「新生活で着けたい腕時計」。
開發(Pen編集部)
Penの腕時計記事を2022年ごろから担当する。スイス・ジュネーブで行われる世界最大の時計見本市「Watches and Wonders」には過去2度参加。最近ゴルフを始めた。買い物は慎重なタイプ。
小林(Pen編集部)
編集プロダクションを経て、2024年よりPen編集部に所属。腕時計とクルマをメインに、カルチャーやライフスタイルなど幅広い領域を担当。「Watches and Wonders」は2026年に初参加。趣味はカメラ。
佐野(Pen編集部)
高校卒業後ロンドンに留学、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション在学中からスタイリストとして活動。帰国後、ファッション誌編集部やコレクションブランドのPRを経て、2012年にフリーのエディター/ライターとして独立。Penを中心に雑誌や広告などの制作を手掛けてきたが、25年にPen編集部員にコンバート。趣味は釣りと園芸。
不安な新生活を後押しする、ブレゲ250周年モデル
開發:4月と言えば新生活が始まる時期ですね。新社会人の方へ向け、今回のテーマは「新生活で着けたい腕時計」です!「当時こんな腕時計を着けたかった」「いま新社会人だったらこの腕時計を選ぶ」など、それぞれの新卒時代のことを思い出しながら選んでいただきました。
僕が選んだのは、ブレゲの「クラシック スースクリプション 2025」です。2025年に創業250周年を迎えたブレゲが発表したアニバーサリーモデルの第1弾で、創業者アブラアン-ルイ・ブレゲが手がけた懐中時計へのオマージュとなっています。一本針が異才を放つドレスウォッチです。
佐野:新入社員でブレゲ!? もし新人が着けていたら、かなり度肝を抜かれそうですが……。新卒の時はなにをしていたの?
開發:想像する分にはタダなので(笑)。新卒一年目は広告営業の仕事をしていて、スーツを着ていました。クライアントには中小企業が多く、直接社長とお会いする機会も多かったです。だから、まずはドレスウォッチが前提として、ひと目で印象に残る時計を着けていたら自然と会話のきっかけにもなると思い、この時計を選びました。社長さんは時計好きも多いですし、ブレゲかつ一本針というユニークな仕様なので、間違いなくこの時計の話題で盛り上がることでしょう!
小林:たしかに、ブレゲでこのモデルとなると、それは間違いなく話題になりますね(笑)。
開發:このモデルの背景やディテールも非常に魅力的です。“スースクリプション”とは、購入希望者が価格の約4分の1を前払いすることで注文できる仕組みを意味します。いわば現代でいう前払い制度。当時としては革新的な方法で、高級時計をより広い層へ届けた先駆者的存在でもあったんです。加えて懐中時計だったオリジナルのデザインを受け継ぐ意匠など、本作には確かなストーリーがあります。
ラグジュアリーウォッチって、単なる高級品ではなく、そのブランドが歩んできた歴史や思想を身に纏うことで、自分自身を少し引き上げてくれる存在でもあると思うんです。新生活という節目に、背筋を正しながら前に進むための一本として、これ以上ない選択肢だと感じました。もちろん、「なぜ新卒社員がそんな高級時計を?」と周りから不思議がられると思いますが、そこは気合いで乗り越えてください!
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新社会人に寄り添う、コスパ最強の一本
小林:僕が選んだのは、ティソの「PRC 100 ソーラー 39㎜」です。開發さんのような“憧れの時計”というよりは、当時の自分でも現実的に手が届く価格帯で、新卒の方にも選びやすい一本としてセレクトしました。ティソは1853年創業の歴史あるスイスブランドで、確かな品質を備えながら手に取りやすいラインアップが魅力です。その中でも本作は約7万円と非常に良心的! 新色のアイスブルーも相まって、新生活のフレッシュな気分にもぴったりなのではと。
佐野:たしかに7万円とは思えない高級感があるね。アイスブルーの文字盤もフレッシュマンっぽくていい! 小林くん自身の新卒時代にも、やっぱりこういう一本がちょうどよかった?
小林:まさにそうですね。僕は編集プロダクションに所属していて、基本は私服でした。ただ、現場によってはスーツを着ることもあって。だから、カジュアルにもビジネスにも対応できる時計が必要でした。そう考えると、この一本はかなり頼れる存在になっていたと思います。さらにソーラーモデルなので、時計に慣れていない人でも扱いやすい。太陽光だけでなく室内光でも充電できて、フル充電で約14カ月駆動するなど、日常使いでの手軽さも大きい。腕時計が初めての新社会人にはまさにうってつけですね。
開發:新生活って引っ越しや生活費などで何かと出費がかさむ時期ですし、こういう“現実的だけどきちんとして見える時計”は新社会人にとってもありがたいですよね。ソーラーなら手間もかからないですし、初めての一本として安心。
小林:そうなんです。7万円前後で手に入りつつ、スイス時計としての品質と機能性も十分。価格・実用性・デザイン、その全部を踏まえて、“最初の一本”としてかなり理想的な選択肢だと思います。
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機械式時計顔負けの本格派スマートウォッチ
佐野:僕が選んだのは、タグ・ホイヤーのスマートウォッチ「TAG Heuer Connected Calibre E5」です。先日、人生で初めて鈴鹿サーキットを訪れたのですが、公式タイムキーパーであるタグ・ホイヤーの存在感に圧倒され、その世界観にすっかり魅了されまして(笑)。アイルトン・セナをはじめ、モータースポーツのレジェンドたちが腕に着けた憧れもありこのモデルを選びました。
小林:なるほど。F1やタグ・ホイヤーへの憧れが入口にありつつ、そこであえて機械式ではなくスマートウォッチを選ぶのは意外でした! 新卒というテーマで、このモデルがしっくりきた理由は?
佐野:新卒の頃って、社会人としてちゃんとして見られたい一方で、仕事に慣れるのに必死で、健康管理って意外と後回しになりがちじゃないですか。僕自身、最近になって意識し始めたのですが、当時もしこのモデルがあったらかなり心強かったと思うんです。タグ・ホイヤーならではの品格や憧れを持ちながら、スマートウォッチとして健康管理や通知機能まで備えている。つまり“ちゃんとして見える”と“実用性”を両立しているんですよね。憧れだけじゃなく、新生活をリアルに支えてくれるという意味で、すごく理にかなっているなと。
開發:確かにがむらしゃらな新社会人だからこそ、疎かにしがちな健康面は意識したいところですよね。しかも、いわゆるスマートウォッチ特有のガジェット感が前に出すぎていないデザインもいい。
佐野:そうなんです。一般的なスマートウォッチって便利だけど、どうしても“機械感”が強いものも多い。でもこれはタグ・ホイヤーらしい上質なデザインがしっかりあって、ちゃんと“腕時計”として成立している。そこも大きな魅力でした。文字盤もアナログ表示に切り替えられますし、「カレラ」や「モナコ」といったブランドを象徴するデザインにも変更できるので、タグ・ホイヤー好きにはたまらない。
さらにスマートフォン連携でメールや通知もサッと確認できて、日常使いの利便性も高いですし、ゴルフ機能まで搭載されている。新卒の頃はもちろん、その先のビジネスシーンまで見据えて使える。憧れを入り口にしながら、仕事も健康もスマートに管理できる。そういう意味で、新生活にすごくフィットする一本だと思いました。
