ムーブメントをあえて表にさらす——その逆転の発想から生まれたブレゲの「トラディション」が、2026年に4つの新作を携えてアップデートされた。青く染まる機構の躍動、エナメルの静謐な輝き。250年にわたる哲学が、現代的な解釈とともに立ち上がる。
本来、裏側に隠されるはずの機構を、あえて文字盤側に配置する。2005年に誕生したこのコレクションは、時計の“常識”を問い直す存在として確固たる地位を築いてきた。歯車やひげゼンマイ、香箱といった構成要素が視界いっぱいに広がる構造は、単なる装飾ではなく、機械式時計の本質そのものを語りかけてくる。
今回の新作は、そのアイデンティティを守りながらも、表現をより洗練させている。象徴的なのが、ローマ数字からアラビア数字への変更だ。一見すると控えめな変化だが、これは1799年、アブラアン-ルイ・ブレゲ自身が採用していた書体への回帰でもある。過去と現在が静かに接続される瞬間だ。
なかでも「トラディション7037」は、全面をブルーで統一したムーブメントが印象的な一本。18Kホワイトゴールドの38㎜ケース内には、グルネイユ仕上げの地板やスネイル模様の香箱蓋が配置され、すべてが手作業で仕上げられている。12時位置に配されたグラン・フー エナメルのホワイト文字盤が、機構の美しさを一層際立たせる構成だ。さらに、コレクション初となるラバーストラップを採用し、現代のライフスタイルにも自然に馴染む。
一方、「トラディション GMT 7067」は、プラチナ950ケースにグリーングラデーションのグラン・フー エナメル文字盤を組み合わせた。中心から外周へと深みを増す色彩は、職人技の積層によって生まれるもの。ホームタイム表示にはアラビア数字とオリエンタル数字の2種が用意され、かつてオスマン帝国向けにカスタマイズを行った歴史とも響き合う。


さらに「トラディション7038」は、ブラックアベンチュリンガラスと58個のダイヤモンドベゼルを組み合わせ、ジュエリーの領域にまで踏み込む存在感を放つ。「トラディション レトログラードセコンド 7097」は、ローズゴールドケースにアンスラサイトグレーの香箱蓋を合わせ、繊細な色彩の対比で機構の美しさを引き出した。これら4本に共通するのは、“機構を見せる”というゆるぎない思想だ。250年を経てもなお、その核は一切ゆらいでいない。
ブレゲ ブティック阪急うめだ本店がリニューアル
新作発表と歩調を合わせるように、「ブレゲ ブティック阪急うめだ本店」もリニューアルオープンした。温かみのある素材と柔らかな照明で構成された空間は、ゆとりある展示と落ち着いた対話を両立する設え。初めて訪れる人から長年の愛好家まで、幅広い層を迎え入れる。「トラディション」をはじめとする各コレクションを実際に手に取りながら、その背景にある思想まで体感できる場。大阪における新たな拠点として、ブランドの魅力をより立体的に伝えていくはずだ。
■ブレゲ ブティック阪急うめだ本店
住所:大阪府大阪市北区角田町8-7 阪急うめだ本店6階 HANKYU LUXURY ウォッチギャラリー
TEL:06-6313-7863
営業時間:10時〜20時 不定休
ブレゲ
TEL:03-6254-7211
www.breguet.com