【人の温度に癒される都内の新店5選】リノベカフェ、弁当屋、理容室…。まるで誰かの家のような空間で“ひとりでも落ち着く時間”を

  • 編集:Pen編集部
  • 写真:河内 彩
Share:

いま東京では、店主の価値観や生活感がにじみ出る、“まるで誰かの家のような店”が増えている。今回は、連載「New & in the News」より、人のあたたかな温度に触れる5つの新店を紹介。この春は、肩の力を抜いて過ごせる場所へいきたい。

5c9d79b44580002090aee61f7826ece1540b7dfe.jpg
店主の吉森ななこさん。店名「75foods」の“75”は名前の「ななこ」に由来すると同時に、お米が最も美味しく感じられる温度が75度とされることから生まれたダブルミーニング。

①ナナゴーフーズ|松陰神社前

弁当の名店「チオベン」で修業を積んだ店主が手掛ける、日常に寄り添う小さな弁当屋。主役となるのは、あきたこまちを主役に据えた、どこか懐かしい“実家の味”を思わせる一箱だ。コーンクリームコロッケや根菜の煮物、旬の野菜の副菜など、揚げる・蒸す・煮るといった調理法を丁寧に重ね、滋味深い味わいに仕上げている。店内には北欧で買い付けた雑貨が点在し、“おもちゃ箱”のような温もりある空間に。料理を選ぶ時間すら楽しく、自然と気持ちがほどけていく。弁当を片手に商店街を歩く、その時間まで含めて心地いい。日常のなかにある、小さなご褒美のような一軒だ。

250924_104-s.jpg
北欧の旅で持ち帰ったという雑貨たちが、店内を“おもちゃ箱”のように見せる。

75foods

住所:東京都世田谷区世田谷4-20-3 飯塚アパート102
営業時間:11時30分~17時30分
定休日:日~火

---fadeinPager---

c7bd76003cfc09bd82f09babdec4ff5002adac49.jpg
木の温もりと清潔感を感じる店内では、職人技が光るHIDAのチェアや、アフリカンチェリー(ボセ)の木からつくったテーブルなどが使われている。どれも懐かしさを感じさせる、優しい手触りが印象的だ。

② ひこうき|尾山台

尾山台の住宅街にひっそりと佇むこの店には、オープンしたばかりにもかかわらずリピーターが絶えない。店内は木の温もりと生活道具に囲まれ、店主の私室のような親密さを感じさせる空間。10代から国内外で経験を積んだ店主が、多様な食文化に共通する“ほっとするおいしさ”をベースに日本の風土・素材の味に添う、どこかの国の食堂に出てきそうなひと皿を提供。日本酒や焼酎を中心に据えた構成もユニークで、食事とともにゆるやかな時間が流れる。本棚に並ぶ愛読書や、カウンター越しの距離感が、訪れる人を自然とリラックスさせる。ここで過ごすひとときは、“外食”というより、誰かの家で食事をしているような感覚に近い。

5_250203_176+[1].jpg
季節の素材を活かした¥11,000のコースを用意。写真は焼いた金目鯛と旬の野菜、リゾットにスパイスのソースを添えた「ひこうきのごはん」。日本酒「神亀」のお燗(¥850~)。

ひこうき

住所:東京都世田谷区尾山台3-23-18
TEL:090-1076-4223
営業時間:18時~22時
定休日:月曜日

---fadeinPager---

c9deed7e5755105a86c7146ed377c178c92ad9b4.jpg
内装はモーブレーワークスの鰤岡力也が担当し、木のぬくもりがノスタルジックな情緒を誘う。

③理容室ハンサム|笹塚

懐かしさと新しさが交差する、ローカルバーバーの新しいかたち。ヘアメイクアーティストAMANOが手掛けたこの理容室は、“地域に根ざす場所”として設計されている。タカラベルモントの名機「679」に身を預ける時間は、髪を整える行為を小さな非日常へと変えてくれる。店名に冠された“ハンサム”は、外見の美しさだけを指す言葉ではない。AMANOが大切にするのは、内側から滲み出る雰囲気や匂い、そして「ロマン」だ。そんな思想が、シェービングを含めた丁寧な施術や、地域に開かれた料金設定にも表れている。ここは、髪を切る場所でありながら、人が整う場所でもある。 

250626_040-s.jpg
床屋らしさが漂う、アーティストWAKUが手掛けた一点もののネオンサイン。

handsam

住所:東京都渋谷区笹塚1-59-3 グリーンキャピタル笹塚102b
営業時間:11時~21時 (月~金) 10時~20時(土、日)
定休日:月、火(隔週)

---fadeinPager---

250827_147-s.jpg
1階の「惣菜民味」の店内。木の温もりに包まれ、気取らず過ごせる心地よい雰囲気だ。

④ CAILO|世田谷

衣と食がゆるやかに交差する、暮らしの延長のような空間だ。1階には惣菜店、2階にはセレクトショップを配し、食とファッションが自然に行き来する“回遊”が心地よい。惣菜は旬の素材を活かした家庭的な味わいで、ワインやマードレとともに楽しめる気軽さも魅力。2階では国内ブランドの服や雑貨、アートが並び、訪れるたびに新しい発見がある。大きな窓から差し込む光や、木材の温もりを活かした設えが、空間全体に穏やかなリズムを生む。ここでは、何かを買う・食べるという目的を超えて、“暮らしを整える時間”そのものが体験になる。

 

821df1d61429d415975e11f9551fcec8130f128a.jpg
緑が映える大きな窓からは自然光が差し込み、服や雑貨、アートが調和するように配されている。

CAILO

住所:東京都世田谷区世田谷1-21-8
営業時間:9時~22時(水~土)、12時~20時(日、祝) 
定休日:月、火

---fadeinPager---

251224_261-s.jpg
1階では、注文とともにスタッフとの何気ない会話も楽しみのひとつ。オーナーは、地元の和歌山県で美容師として活動しながら、神奈川県で喫茶店「喫茶SUNDAE」を経営。

⑤ SUNDAE APART|蔵前

築60年のビルを丸ごとリノベーションした、どこか懐かしくて新しい複合空間。地下から4階まで、それぞれ異なる表情を持ちながら、ゆるやかにつながっている。名物は、やさしい甘さの今川焼きとコーヒー。さらにヴィンテージ雑貨や家具が並び、暮らしに遊び心を添えるアイテムにも出合える。各フロアにはラジオが流れ、音に包まれながら過ごす時間が、自然と肩の力を抜いてくれる。地下で静かにひとり時間を楽しむもよし、上階で街を眺めながらくつろぐもよし。その日の気分で居場所を選べる自由さが、この店の魅力だ。

251224_196-s.jpg
オーナーがLAOTOURからセレクトした国内外のヴィンテージ雑貨。ひとつひとつに物語が宿る。

SUNDAE APART

住所:東京都台東区蔵前2-3-4 ダイシンビル
営業時間:8時30分~17時
不定休

誰かが丁寧に積み重ねてきたものに触れると、自分の時間の流れも、少しだけやさしくなる。この春は、ふと立ち寄った先で“ただいま”と言いたくなるような場所に出合ってみたい。