【チオベンで4年半修業】松陰神社前に誕生した、“実家の味”が詰まったお弁当屋「75foods」

  • 写真:河内 彩
  • 文:Pen編集部
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ナナゴーフーズ

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あきたこまち、お肉とお魚をメインのおかずに副菜が6〜7種類ほど入ったお弁当。その時に販売するメニューは、Instagramにて随時更新されている。

松陰神社前の商店街に佇む「ナナゴーフーズ」は、知る人ぞ知る弁当の名店「チオベン」で4年半修業を積んだ店主が、満を持して立ち上げたお弁当屋だ。ショーケースには週替わりのお惣菜が彩り豊かに並び、その中心にあるのは、あきたこまちを主役に据えた“ほっこりとしたお弁当”。コーンクリームコロッケや鶏と根菜のしっとり煮、季節野菜の胡麻和えなど、揚げる・蒸す・煮るといった調理法をバランスよく織り交ぜ、どこか実家の台所を思わせる安心感のある一箱に仕上げている。

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店主の吉森ななこさん。店名「75foods」の“75”は名前の「ななこ」に由来すると同時に、お米が最も美味しく感じられる温度が75度とされることから生まれたダブルミーニング。
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ショーケースには週替わりのお惣菜が並び、時期によっては手づくりシロップのソーダや季節のスープも用意。

温かいご飯とおかずを一緒に頬張ると、素材の持ち味を丁寧に引き出した滋味がじんわりと広がる。時期によっては、果実を漬け込んだ自家製シロップのソーダも並び、弁当とともにひと息つく楽しみも用意されている。

週替わりのお惣菜には、旬の根菜を使った煮物や、柑橘を効かせたさっぱりとしたマリネ、ふっくら火入れした魚料理などが登場し、訪れるたびに内容が少しずつ変わるのも楽しい。松陰神社前という生活感豊かな街並みの中で、この一箱を手に商店街を歩く時間もまた、ささやかな贅沢だ。

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内装を手掛けたのは、松陰神社通り商店街の新しい景色をつくってきた鈴木一史。雑貨が散りばめられた空間は、遊び心に満ちている。
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北欧の旅で持ち帰ったという雑貨たちが、店内を“おもちゃ箱”のように見せる。

空間デザインを手掛けたのは、松陰神社通り商店街の新しい風景を形づくってきた鈴木一史。北欧の旅で持ち帰ったという雑貨や、色とりどりのオブジェが点在する店内は、まるで“おもちゃ箱”をそっと覗き込んだような佇まいだ。料理を選ぶ時間そのものが楽しく、自然と気持ちがほどけていく。

訪れる客層も幅広い。地元の常連、散歩がてら立ち寄る方、休日の家族連れまでさまざまだ。弁当を手にした人々の表情には、「今日は何が入っているだろう」という小さな期待がにじみ、それこそがナナゴーフーズの目指す“日常のご褒美”なのだろう。季節の移ろいを感じながら、小さな弁当屋の大きな楽しさを味わいに、ふらりと足を運びたくなる場所だ。

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コーンクリームコロッケや鶏と根菜のしっとり煮など、旬の彩りを詰め込んだ「75foods弁当」¥1,650

75foods

住所:東京都世田谷区世田谷4-20-3 飯塚アパート102
営業時間:11時30分~17時30分
定休日:日~火
Instagram@75foods