カイロ
世田谷通り沿いに、衣と食をゆるやかに結ぶ新たな拠点「カイロ(CAILO)」が6月末に誕生した。建築からファッションまで横断するクリエイティブユニット LAFが空間を手掛け、街の日常に溶け込むような温もりあるデザインが印象的だ。2フロア構成の店内は、1階に惣菜店「惣菜民味(そうざい・たみ)」、2階に服と雑貨を扱うショップという構成。衣と食が互いを引き立て合うように配置されている“回遊”がこの場所の魅力を生んでいる。
1階の「惣菜民味」は、“朝からお酒が飲める惣菜屋”を裏テーマに掲げ、旬の素材を生かした創作家庭料理とアルコールを提供。日替わりプレートや季節の惣菜、焼き菓子などを揃え、テイクアウトも可能だ。マードレやワインを片手に、暮らしの合間にふと立ち寄れる、そんな“食の隙間”を演出している。
螺旋階段を上がると、国内ブランドを中心にセレクトされたファッションフロアが広がる。オー(O-)やグルメジーンズ(GOURMET JEANS)といったブランドに加え、アメリカやヨーロッパから仕入れた雑貨が棚を彩り、器やアートの展示も定期的に開催。
店内には、高知県産の大木を使ったカウンターやスツール、光を柔らかく取り込む大きな窓枠など、LAFらしい素材への眼差しが随所に息づく。チェーンソーで加工された移動型スツールなど、職人の手仕事が空間に静かな力を与えている。気軽に服を選びに立ち寄るもよし、温もりある料理でひと息つくのもお薦めだ。