喜びや挫折からなにげない日常の風景まで、人生に寄り添ってくれるドリカムの音楽。メンバーから「ベイビーズ」と呼ばれるドリカムファンたちに、好きな楽曲を選んでもらい、自身とドリカムにまつわるエピソードを訊いた。今回は、いきものがかり水野良樹が、路上ライブ時代を振り返りながら語る。
DREAMS COME TRUEが9年ぶりとなる待望の最新アルバム『THE BLACK ○ ALBUM』をリリースする。J-POP が新たな地平に立ついまだからこそ、ドリカムが鳴らす鐘に耳を澄ませ、その“引力”を存分に語り合おう。
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世代を超えて届く歌があることを、「未来予想図Ⅱ」に教わった
ドリカムと同じ女性1名男性2名の構成でデビューし、誰もが口ずさめる良質なポップスを送り出してきた、いきものがかり。大部分の楽曲を手掛ける水野良樹が初めて買った女性ボーカルのシングルは「サンキュ.」だった。ドリカムは水野の音楽的ルーツのひとつであり、自身の活動においても不可欠な存在だと語る。
「僕らの路上ライブ時代の“推し曲”が『未来予想図Ⅱ』。この曲を演奏すると女子高生からサラリーマンまで足を止めてくれたんです」
世代を超えて届く歌があることを、水野はこのとき実感した。初めて観たライブでこの曲を聴いたときの印象はいまも鮮明で、演奏が始まると会場の空気は一変し、観客はそれぞれの思い出に浸るような表情を浮かべていたという。
「僕も人に寄り添える、『これは自分の曲だ』といえる作品をつくりたいと思った瞬間でした」
2014年に公式カバーした際、中村からこの曲の長いアウトロについて話を聞いたという。
「無駄のない、完璧なメロディと歌詩なのに、なぜアウトロで半音濁るベースの音を鳴らし続けているのか。中村さんに聞くと『完璧すぎるとつまらないから、あえて不穏な要素を加えてその先の完成度を目指した』という話をされて、妙に納得したんです。一見わかりやすいものでも、よく見るとどこかに違和感がある。そういうものこそ、普遍的だと思うので」
そんな水野の原体験を象徴する記憶が、少年時代にもある。家族での車中、「LOVE LOVE LOVE」のCDをかけると母親が「この曲いいね」と口にした。当時は思春期で親とも距離を感じていた頃。「母親もわかるんだ」と心がゆらいだことを、いまもよく覚えている。
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My Favorite 3 Songs
「サンキュ.」
「未来予想図Ⅱ」
「LOVE LOVE LOVE」
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