パリを散策するように香りを選ぶ。そんな詩的な発想を形にしたフレグランスメゾン「ソルフェリーノ」が、この秋、日本に上陸する。10月8日(水)から開催される「サロン ド パルファン 2025」で先行発売される10種の香水は、いずれもパリの名所や建築物をモチーフにしており、セーヌ川や凱旋門、モンマルトルの街角まで、一本一本が"香りの風景画"のように構成されているのが特徴だ。

ブランド名に冠された「ソルフェリーノ」は、パリ7区に実在する通りの名前。創設者たちがこの地で感じたインスピレーションが、同ブランドの精神的な起点となっている。「香りで旅する」「建築と香りの融合」という独自のコンセプトは、パリという都市の記憶と感情を嗅覚を通して再構築する、まったく新しいアプローチだ。

ボトルデザインにも、そのフィロソフィーが息づいている。洗練されたシンプルなフォルムでありながら、キャップやラベルには建築意匠に見られるモールディングのような装飾を施し、パリの伝統的な建築美をオマージュした。こうした細やかな意匠は視覚と触覚の双方に訴えかけ、ブランドが掲げる「アール・ド・ヴィーヴル=美しく生きる」という思想をディテールの隅々まで表現している。

香りの世界観も実に多彩だ。たとえば「レヴリ シュル セーヌ 01」は、セーヌ川沿いの静謐なひとときをネロリとクラリセージで表現した、フレッシュかつ柔らかな一本。一方「パリ ラディウー 06」は、凱旋門から放つ光を思わせる華やかなホワイトフローラルで、ホリデーシーズンにもふさわしい気品を纏っている。また「アンベゼ プラス ヴァンドーム 08」は、ヴァンドーム広場の官能的な宵をイメージし、サンダルウッドやアンジェリカが織りなすウッディな香調が深い余韻を残す。

「パリ ラディウー オードパルファム 06」125ml ¥47,080
このように、ソルフェリーノの香りはただのファッション要素ではない。それは、都市の記憶や空気を凝縮した"洗練されたライフスタイルの象徴"ともいえる存在だ。調香師たちはパリという都市の空気を、情景と感情を交えながら香りへと翻訳している。フレグランスは、自分自身の"気配"を演出するもの。服よりも近く、ジュエリーよりも記憶に残る。日常のなかに小さな非日常を取り入れる術として、ソルフェリーノはきっとこれからの香水選びの新しい指標となるだろう。