風情と便利を両立して、現代に復活した“囲炉裏”

  • イラスト:信濃八太郎
  • 編集:一ノ瀬 伸

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〈卓上調理家電〉
siroca OUCHI IRORI(シロカ おうちいろり)

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囲炉裏をモチーフとし、高火力で卓上調理ができる「おうちいろり」。サイズは幅 29.3㎝×奥行34.3㎝。焼き網や深皿、たこ焼きがつくれるボールプレートが付属。¥24,970

食卓でつくりながら食事をするテーブル調理はいまやすっかり定着し、ホットプレートやグリル鍋などが市場を賑わせている。しかしシロカの「おうちいろり」は、風情のある佇まいが既存のアイテムとは一線を画す。串に刺した魚を立てて焼き、自在鉤に鍋や鉄瓶をかけて煮炊きし、それを囲みながら談笑して過ごした囲炉裏の世界観を見事に再現。しかも温度を一定に保ち、煙や焦げを抑えるなど現代仕様の囲炉裏としている。

それを支えるのは、天面を平らにした独自形状を採用し熱効率を高め、200℃に達するまで約6分という高火力のヒーターと、緻密な温度管理だ。上手に熱を逃がす筐体設計をしており、油受けに水を張ることで煙を抑える減煙構造にするなど、卓上で安心して使えるための配慮も抜かりない。

焼き網、深皿、ボールプレートが基本セットだが、できれば土鍋と蒸し皿付きのタイプを選びたい。同社の炊飯器の名品「かまどさん電気」で使用している伊賀焼窯元・長谷園と再びタッグを組み、「おうちいろり」専用土鍋と陶製すのこで鍋料理だけでなく、バーニャカウダや海鮮蒸しなど絶妙な味わいの蒸し料理が楽しめる。多孔性の土でつくられた伊賀焼ならではの優れた蓄熱性と高い保温効果で、食材の旨味や甘味を引き出してくれるのだ。

これらのプレートや土鍋などを順に使うコース料理を提案している点もいい。焼き網での炉端焼きに続いて、土鍋の梅豚しゃぶをメインディッシュで味わう和風コース、炙りピンチョス、ボールプレートでのアヒージョ、深皿でつくるシーフードパエリアと続くスペイン風コースといった具合。充実したレシピブックを眺めながら、この“囲炉裏”でなにをつくるか考える時間も幸せだ。

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3種のプレートに加え、伊賀焼窯元・長谷園の土鍋と、蒸し皿(陶製すのこ)が付いたモデル(¥39,600)も用意。土鍋は高い蓄熱性と保温効果を備えている。

神原サリー

新聞社勤務を経て「家電コンシェルジュ」として独立。豊富な知識と取材をもとに独自視点で発信。東京・広尾の「家電アトリエ」をベースに、テレビ出演や執筆、コンサルティングなど広く活躍中。

問い合わせ先/シロカサポートセンター
TEL:0570-001-469

※この記事はPen 2024年4月号より再編集した記事です。