その年を象徴するクリエイターをたたえる「Pen CREATOR AWARDS」。今年で第7回を迎えた今回から、そのコンセプトを拡張し、輝きを放ちはじめた旬な才能や未来を担うクリエイターたちに目を向けた、継続的なプログラムをスタートした。
12月1日から7日までの期間、「Pen CREATORS WEEK」と題して企画展示を実施し、Penとクリエイターとの取り組みを紹介した。代官山 蔦屋書店 シェアラウンジをジャックして行った同展を、オープニングに合わせて開催したレセプションの様子とともにレポートする。
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クリエイターとPenの1年を紹介した、Pen CREATORS WEEK
Penは2023年、業界やキャリア、年齢、性別など、垣根を越えてクリエイターに敬意を表し、ともに歩もうと、「すべてのクリエイターをたたえたい」という想いを込めたステートメントの下、「Pen CREATOR AWARDS 2023」と「BREAKING」「NEXT」の3つのプロジェクトを一年を通して進めてきた。
「Pen CREATOR AWARDS」はPen本誌で毎年行っているアワードで、今回は6組のクリエイターを選出。それに加え、今年からは、各界の旬なクリエイターを紹介するPen Onlineの連載シリーズ「BREAKING by Pen CREATOR AWARDS」と、未来のクリエイターのための作品公募とワークショップを実施するプロジェクト「NEXT by Pen CREATOR AWARDS」も新たに展開。今回の展示は、その発表の場として行ったものだ。
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2023年に最も活躍したクリエイターとして、そして本アワードの顔として来場者を出迎えたのは、本誌で特集した「Pen CREATOR AWARDS 2023」の受賞者たち。最も目をひくポスター展示スペースに、女優の安藤サクラ、音楽ユニットのYOASOBI、脚本家の宮藤官九郎、作家の小川 哲、建築家の永山祐子、『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』を手がける写真家のルシール・レイボーズ&照明家の仲西祐介の6組のクリエイターが並んだ大型パネルを設置した。
本誌では、多くの人の心を揺さぶる彼らのクリエイションの背景に迫りながら、クリエティビティの源となっている要素や、それぞれの素顔を紹介している。
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シェアラウンジの中心にあるギャラリースペースでは、「BREAKING」で取り上げた各業界の“最旬”のクリエイターとして、デザインラボ・HONOKA、8人組演劇/コントユニットのダウ90000、伊勢屋酒造代表の元永達也、プロデューサーの佐藤菜穂美、建築家の秋吉浩気、サックス奏者/作曲家の松丸 契、テレビプロデューサーの大森時生の7組を紹介。
「BREAKING」のインタビュー記事では、それぞれのキャリアからクリエイションに向き合う姿勢、今後の展望などを深掘りしながら、彼らが見据えるビジョンについて聞いているので、あわせてチェックしてほしい。
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多くの利用者が目にする平台スペースでは、作品公募×ワークショップのプロジェクト「NEXT」の作品を展示した。第一線で活躍するクリエイターをメンターとして招き、ポッドキャスト部門、ポスターデザイン部門、パッケージデザイン部門の3部門を開催した同プロジェクト。今回、多数の応募作の中から選ばれた各部門5〜6組の最終作品を、メンターの講評とともにお披露目した。
なお以下のレポート記事では、各部門の提出作品やワークショップの様子、メンターの総評などを詳報している。
>>ポッドキャスト部門のレポート記事
>>ポスターデザイン部門のレポート記事
>>パッケージデザイン部門のレポート記事
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初日のレセプションには、さまざまなクリエイターが集った
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展示の初日となった12月1日には、「Pen CREATOR AWARDS 2023」の受賞者や「BREAKING」のクリエイター、「NEXT」のメンターや参加者などを招いたレセプション「Pen CREATORS NIGHT」を開催した。
2023年を彩った、クリエイターが登壇
「Pen CREATOR AWARDS 2023」受賞者からは小川 哲、永山祐子、ルシール・レイボーズ & 仲西祐介の3組が出席。2023年の活動を振り返りながらクリエイションへの想いを語った。
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今年1月に『地図と拳』で直木三十五賞、5月に『君のクイズ』で日本推理作家協会賞の長編および連作短編集部門を受賞した小川は、「忙しいというか、人前に出る仕事が多くて、特殊な一年だった気がします」と一年を回顧。「小説家がクリエイトしている瞬間というのは、家で一人で頭を抱えている時間だと思います。いろいろな賞を頂いて光栄である半面、改めてひとりのクリエイターとして、地道に仕事をしていかなければいけないと思う年になりました」と創作活動の苦しみと、作家としての信念を明かした。
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永山は、外装デザインを手がけた東急歌舞伎町タワーについて、オフィスの入らないエンタメに特化した超高層ビルであることに触れつつ、「ずっと人を呼び続けていきながら維持するのは難しいことであり、チャレンジングなビルです」と語る。噴水をイメージした一際目を引くデザインの理由は、「噴水は下からの勢いがないとなくなってしまう。人が集まる、揺らぐような柔らかなデザインにしました」と説明した。
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ルシールと仲西が共同ディレクターを務める写真祭、『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』は京都らしさと写真を同時に味わえる春の風物詩。第11回を迎え、今年からは音楽フェス『KYOTOPHONIE Borderless Music Festival』もスタートした。「関西在住のフリーランスのクリエイターたちを集めて、手づくりで11年間やってきました。最初はアートフェスティバルのつくり方もわかりませんでしたが、ふたりの違う視点があったからこそ毎回面白いチャレンジができたと思います。そして、いろいろな方から応援とサポートを頂き、ここまできました。本当に皆さんに感謝しています」と11年の歩みと感謝の気持ちを述べた。
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また、「BREAKING」のクリエイターや、特別賞として各界の第一人者が推薦する気鋭のクリエイター10組の紹介も行った。特別賞には、アーティストの川内理香子、君島大空、、百瀬 文、細井美裕、ドラマクリエイターのごっこ倶楽部、デザイナーの吉泉 聡、建築家の金野千恵、映像デザイナー/クリエイティブ・ディレクターの井口皓太、編集者/キュレーターの塚田有那が名を連ねた。
※塚田有那さんは2023年12月16日にご逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。
未来のクリエイターを応援する、「NEXT」プロジェクト
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未来のクリエイターのためのプロジェクト「NEXT」は、作品公募と各部門のメンターが講師を務めるワークショップを実施、出会いと実践の場を提供してきた。ここでは3部門の最優秀賞受賞者の発表と、メンターからは「NEXT」の総評、最優秀賞作品の講評が行われた。
異なる業界のクリエイターたちがミートアップ
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レセプションにはアーティスト、テレビプロデューサー、建築家、音楽家、デザイナー、クリエイティブ・ディレクター…と、さまざまな分野で活躍するクリエイターに加え、「NEXT」に参加したプロのクリエイターを志す学生など、業界やキャリアを問わず、さまざまな人が出席。それぞれが互いにクリエイティビティを刺激し合う場となった。
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クリエイターを支える仕組みとして、今後もさらにパワーアップ
創刊以来、さまざまなクリエイションに注目し、その魅力や価値を伝えてきたPen。コンテンツづくりを通して培ってきた視点や、さまざまな業界・クリエイターとのつながりを基盤に、同じ志をもつクリエイターのコミュニティとして機能し、すべての人のクリエイティビティの一助となることを願っている。
「Pen CREATOR AWARDS」はその中心のプロジェクト。2024年以降もパワーアップして継続していくので、今後も注目してほしい。