ルンバの新しい相棒は、頼もしい「空間の掃除機」

  • イラスト:信濃八太郎
  • 編集:一ノ瀬 伸

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〈空気清浄機〉
iRobot Klaara p7 Pro(アイロボット クラーラ p7 プロ)

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ロボット掃除機「ルンバ」で知られるアイロボットから初の空気清浄機「Klaara p7 Pro」がこの秋登場。一台でおよそ40畳のスペースに適応する。¥169,800

アイロボット社から空気清浄機「クラーラ」が登場した。全世界に先駆けての先行販売となる。

ロボット掃除機に続くカテゴリとして、同社が空気清浄機を選んだのは至極当然のこと。空気清浄機は「空間の掃除機」だからだ。クラーラが室内に入り込んだアレルゲンやウイルス、花粉などの有害物質を素早く清浄し、床面に落ちた粒子をルンバが徹底的に掃除することで、床から空間まで部屋中を隈なく掃除できる。専用のアプリでルンバと連携すると、クラーラのパワーがブーストされて、清掃中に出たほこりを取り除く「自動連携機能」も備えている。

とはいえ、国内外のさまざまなメーカーの製品が群雄割拠している日本の空気清浄機市場において、いかなる技術や戦略で挑むのか。それは独自の密閉構造と、3段階フィルターシステムだ。一般的な空気清浄機の問題点として、どんなに高性能なフィルターを搭載していても、取り込んだ有害物質が本体の継ぎ目などから外に漏れたり、製品内できれいな空気と混ざってしまうことがあるという。そこで構造を根本から見直し、つなぎ目のない一体成型のボディを採用。プレフィルター、2㎡にもおよぶHEPAフィルター、400gのカーボンフィルターで構成された約5㎏のフィルターにより、汚染物質を99.98%除去する。これを1年に一度取り替えるだけでメンテナンスは不要だ。

本体側面はやわらかい曲線を描き、シームレス構造をデザインで表現している。マットな白、ルンバとの相性もいい黒に加え、ニュートラルでリビングに溶け込むグリーングレーが3色目としてラインアップされている点も好ましい。裏方の存在でありながら、クリーンな環境を支える、優美で頼もしい一台なのだ。

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ルンバと共通の専用アプリで連携が可能。ルンバで掃除中はファンスピードを自動的にアップするなど、搭載AIが空気環境や生活習慣を学習し、最適化する

神原サリー

新聞社勤務を経て「家電コンシェルジュ」として独立。豊富な知識と取材をもとに独自視点で発信。東京・広尾の「家電アトリエ」をベースに、テレビ出演や執筆、コンサルティングなど広く活躍中。

問い合わせ先/アイロボットサービスセンター
TEL:0120-046-669

※この記事はPen 2023年12月号より再編集した記事です。