伝説の瞬間に立ち会ってきたSHUREのオーディオ製品が、いまもクリエイターに選ばれる理由とは

  • 文:上村真徹

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1925年、アメリカ・イリノイ州シカゴでシドニー・N・シュアが設立した「Shure Radio Company」がSHUREのはじまり。写真は当時のオフィス。

創業からおよそ1世紀にわたってイノベーションを重ね、革新的なマイクロホンやオーディオ機器を開発し続けてきたSHURE(シュア)。プロフェッショナルの現場で信頼されてきた歴史をひも解きながら、その圧倒的なサウンドと性能を体感できる最新製品を紹介する。

イノベーションを重ね、信頼を勝ち得た歴史

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1939年に業界初のシングルエレメント単一指向性ダイナミックマイクロホン「55 Unidyne」を発売。安価でコンパクトなデザインによってたちまち普及し、世界のマイクロホンの代名詞になった。

SHUREがアメリカで創業したのは1925年。当初はラジオのパーツを販売していたが、大恐慌でニーズが低下したことでマイクロホンの開発へ移行。51年に開発した「Unidyne 55S」(通称ガイコツマイク)は、エルヴィス・プレスリーが愛用したマイクとして一躍知られるようになった。

65年発売の「SM57」は、そのクリアなサウンドと信頼性の高さから“ホワイトハウス・スタンダード”と呼ばれ、今日まで歴代大統領のスピーチに使われ続けている。また、66年に登場した後継の「SM58」は、ライブパフォーマンスの定番としてロックミュージシャンたちに愛された。その後も、マイケル・ジャクソンの「スリラー」の録音で使われた「SM7」など数々の名品を生み出し、世界中で伝説の瞬間に立ち会ってきた。

一方でSHUREは、リスニング製品のイノベーションにも取り組んできた。97年からインイヤーモニターシステム(イヤモニ)市場に参入し、同社初のパーソナル・モニタリング・システム「PSM600」とイヤホンE1を発表。プロミュージシャン向けEシリーズの成功を受け、2003年からはコンシューマー向け市場にも参入。その装着方法が「シュア掛け」と呼ばれるほど耳掛け式イヤホンの代表格となり、エントリーモデルの「SE215」とフラッグシップモデルの「SE846」は発売から10年以上経ってなお強い人気を誇っている。また、15年には世界初のコンデンサー型高遮音性イヤホンシステム「KSE1500」を開発した。

さらに20年にはポッドキャスト用マイクロホン「MV7」を発売し、さまざまなクリエイターに愛用される製品を世に送り出している。

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品質と信頼の歴史を受け継ぐ、SHUREの最新製品

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「AONIC 50 ワイヤレス・ノイズキャンセリング・ヘッドホン」の後継モデル「AONIC 50 (第2世代)」。「空間オーディオモード」を搭載し、独自のアルゴリズムによって、自然で広がりのあるサウンドを実現。音楽、映画、ポッドキャストという3つのモードが選択可能で、それぞれにサウンドを最適化する。ノイズキャンセリングは4つのモードに調整可能で、外音取り込みがアプリで10段階調整できるように進化。よりパーソナライズされた最高のオーディオ体験が得られるようになった。¥55,000(参考価格)
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レコーディングや配信用マイクとして人気のダイナミックボーカルマイク「SM7B」にプリアンプを内蔵した新モデル「SM7dB」。3段階から選べる感度で、幅広い用途に使用できる。¥77,000(参考価格)

SHUREの品質と信頼の歴史を受け継ぐ新製品として、「AONIC 50 ワイヤレス・ノイズキャンセリング・ヘッドホン」の第2世代「AONIC 50 (第2世代)」」と、ダイナミックボーカルマイクロホン「SM7dB」が2023年9月に発売された。

「AONIC 50(第2世代)」は「空間オーディオモード」を搭載。独自開発のアルゴリズムを採用することで、自然で広がり感のあるサウンドステージを再現する。また、音楽・シネマ・ポッドキャストというシチュエーション合わせて3つのモードが選択できる。通勤中に音楽を聴く、移動中の新幹線や飛行機で映画を鑑賞する、お気に入りのポッドキャスターの番組をクリアな声で視聴するなど、さまざまなリスニング体験に応じて、ただ聴くだけではなく「感じる」コンテンツとしてオーディオを楽しめる。

また、ノイズキャンセリングも進化した。ノイズキャンセルのレベルを4段階で調節することができ、ノイズキャンセリングを効かせながら外部の人の声や周囲の音を取り入れる機能「MaxAware」を新しく搭載。外出先や職場などコミュニケーションが発生する場所でも、安全かつ便利にノイズキャンセリングを利用できる。また、周囲の音を確認できる「外部取り込み」も、アプリで10段階もの細かな調整ができるようになった。

「SM7dB」は長年愛されてきたレジェンドマイク「SM7B」のサウンドはそのままに、レコーディングに必要なゲインを提供する内蔵プリアンプを搭載する新製品。スイッチを切り替えるだけでゲインを増幅できるなど操作が簡単で、また従来は外付けだったプリアンプを内蔵することで配信時のデスクまわりもスッキリし、ゲーム実況やポッドキャストに適したダイナミックマイクと言える。

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デジタル・ステレオ・コンデンサー・マイクロホン「MV88+ ビデオキット」。軽量で持ち運びやすいオールインワンキットで、どこでも高音質なサウンドで録音できる。¥34,800(参考価格)

いまやミュージシャンのみならず、幅広いジャンルのクリエイターを支えるSHURE。ビデオグラファーやVlogger、ポッドキャスターのためのアイテムも紹介したい。

持ち運び可能なオーディオ・ビデオ録音キット「MV88+ ビデオキット」は、映像コンテンツの制作に必要な機能とツールがすべて揃い、クイックに使えるのが特長だ。さらにスマートフォンに付ければ、ハイクオリティなサウンドでコンテンツを録画することも可能。自撮りやインタビュー撮影、ホームレコーディングや外出先での収録など、用途に合わせてフレキシブルに活用できる。

「SM7B」にインスパイアされ設計された「MV7 ポッドキャストマイクロホン」は、USBとXLR出力の両方を備えたプロ品質のダイナミック型マイクロホン。周囲のノイズを排除してユーザーの声だけを正確に収音し、バランスの取れたトーンで明瞭な音声を実現できるので、ポッドキャストのような音声コンテンツに最適だ。また、「MV7 ポッドキャストキット」は専用のミニ三脚が付属しているため、外出先でも普段と同じセットアップで収録することが可能。まさにポッドキャスターのためのアイテムと言えよう。

SHUREの歴史を受け継ぐこれらの製品を、ぜひ一度手に取ってみてほしい。

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「MV7 ポッドキャストキット」。使いやすくコンパクトなデザインと高品質を追求。三脚付きなので手軽にテーブルやデスクに置いて使用できるだけでなく、自宅でも外出先でも近いセッティングができるので、あらゆる場所でクイックに、クリアな音声での収録を実現しやすくなった。¥41,800(参考価格)

SHURE

https://www.shure.com/ja-JP

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