気鋭の映像作家・林響太朗が手がけた、母校である多摩美の動画が心を鷲掴み!

  • 文:泊貴洋
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YouTube「Tama Art University」より

桜の季節、誰もいない朝の学内を、切り取っていくカメラ。日が昇り、学生たちがフレームインして動き出す。絵画、彫刻、染織など、思い思いに制作を始める彼らに、「自由と意力」というテロップが重なる…。多摩美術大学公式動画『自由と意力』だ。

多摩美術大学は、1935年に創設。絵画、工芸、グラフィックデザインなどの学科があり、和田誠(イラストレーター)、佐藤可士和(クリエイティブディレクター)、深澤直人(プロダクトデザイナー)、松任谷由実(シンガー・ソングライター)、蜷川実花(写真家、映画監督)ら多彩な才能を輩出してきた。同校の教育理念が、「自由と意力」だ。

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映像作家・林響太朗の音楽的映像美

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YouTube「Tama Art University」より

今回、その教育理念をテーマに映像制作を行ったのは、情報デザイン学科の卒業生である映像作家の林響太朗氏。1989年生まれの林氏は、多摩美卒業後、映像作家・菱川勢一氏が率いる「DRAWING AND MANUAL」に入社。3年目に友人のRyu matsuyamaのミュージックビデオ(MV)で評価されて以降、Mr.Chirdren、星野源、BUNP OF CHICKEN 、米津玄師らのMVを手掛けて、CMでも引く手あまたに。21年にはNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』のタイトルバックを担当し、22年は星野源 『不思議』のMVでSPACE SHOWER MUSIC AWARDSの「VIDEO OF THE YEAR」を受賞した。

林作品の特徴は、自らカメラを回して美しい構図を切り取っていく映像美。また、音に合わせて絶妙にカットを割る編集力を持ち合わせ、映像自体がリズムを刻み、音楽を奏でる。そんな林氏の持ち味が『自由と意力』に感じられる。

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大学動画ながら「綺麗」「心を鷲掴み」と大反響

今年4月の入学式とサイトリニューアルに合わせて公開された同作について林氏は、「多摩美を卒業し10年ほど。改めて全15学科を知りました。学生のみんなの美しい眼差し、撮り溜めました」とSNSでコメント。「何かを生み出す、その自由と意力を、参加してくれた学生達の眼差しから手先から背中から感じ取っていただけると嬉しいです」と締めくくっている。

動画はTwitter上で23万件表示を獲得(7月上旬時点)。ネット上には「空気感、色使い、音楽と映像の抑揚、映像の見せ方、どこを取ってもだいすき」「自由と生命力が感じられます…めちゃくちゃ綺麗です」「私の心を鷲掴みにする何かがありました」など熱いコメントが多い。また、「息子、入学しました。ステキな映像と音に感動しました。もともと響太朗さんの作品を好きで観ていたので嬉しさ倍増でした」といった親目線のコメントも見受けられた。

ちなみに本作の音楽を手掛けているのは、林有三氏。角松敏生、郷ひろみ、高橋真梨子、135らのアレンジを手掛けた音楽家で、林響太朗氏の実の父親。“鬼才親子”のコラボレーション作品としても楽しめる。

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多摩美術大学「自由と意力」(4分13秒)

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星野源『不思議』(5分53秒)