『劉・建華 中空を注ぐ』展から『抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ』展まで【Penが選んだ今月の展覧会2選】

  • 文:青野尚子(アートライター)

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抽象絵画の軌跡をたどって、現代美術の原点を振り返る

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フランティセック・クプカ『赤い背景のエチュード』1919年頃 石橋財団アーティゾン美術館(新収蔵作品)

いまから1世紀あまり前に登場した抽象絵画は、ミニマル・アートなどその後の20世紀現代美術を生み出す契機となった。この展覧会は近代の夜明けともいえる抽象絵画がどのようにして出現したのかを追うもの。フォーヴィスム、キュビスムなどの絵画の実験が抽象絵画へと発展していった軌跡を探る。これらヨーロッパの潮流が具体美術協会や実験工房など、戦後日本のアーティストたちに与えた影響も興味深い。現代美術の原点を振り返ることができる。

『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ』

開催期間:6/3~8/20
会場:アーティゾン美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~18時(8/11を除く金曜は20時まで) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(7/17は開館)、7/18
料金:一般¥2,000(ウェブ予約¥1,800) ※日時指定予約制
www.artizon.museum/exhibition/detail/557

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磁器による彫刻やインスタレーションで、現代社会に潜む問題を問いかける

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『Discard』(2001~2015年)磁器 サイズ可変 © Liujianhua Studio

磁器による彫刻で人や社会に潜むさまざまな問題を表現している劉建華。たとえばペットボトルなどを模した磁器によるインスタレーションは、近年盛んに喧伝されるようになったSDGsとはなにかを問うているかのようだ。展覧会タイトル「中空を注ぐ」は内部が空洞になった磁器の形態と「中味がない」思考や文章を思わせる。磁器は数百年も残ることもあれば、ちょっとした刺激で割れてしまうこともある。壊れやすい私たちの日常を暗示しているようにも見えるアートだ。

『劉・建華(リュウ・ジェンホァ) 中空を注ぐ』

開催期間6/24~11/19 
会場:十和田市現代美術館
TEL:0176-20-1127
開館時間:9時~17時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)
料金:一般¥1,800(常設展含む)
https://towadaartcenter.com/exhibitions/liu-jianhua

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※この記事はPen 2023年7月号より再編集した記事です。