自然のなかで体感する、暮らすように泊まるヴィラ【今月の建築ARCHITECTURE FILE #07】

  • 写真:大町晃平
  • 文:佐藤季代

Share:

客室はツインルーム6棟とワイドルーム1棟。部屋の入り口を兼ねたテラスからは農場の景色が一望できる。 ランドスケープはソルソが監修。

音楽家の小林武史が総合プロデューサーを務める千葉県・木更津のサステイナブルファーム&パーク「クルックフィールズ」。2019年の開業以来、約30ヘクタールの広大な敷地に農園やレストラン、宿泊施設を設けるなど段階的に開発が進められてきた。22年11月には、「サステナブルな環境と暮らしの共存」を体験できる宿泊施設「コクーン」が完成。このディレクターを務めるミナ ペルホネンの皆川明のコンセプトをもとに、建築と家具の設計ユニット「イッケン(ikken)」を主宰する吉田隆人が設計を手がけている。

02_220920-61.jpg
住まいのようなプライベート性の高い客室。イッケンがデザインしたシンプルな家具がミナ ペルホネンのテキスタイルを引き立たせている。

“繭”のかたちから発想を得た7棟の客室は、クルックフィールズ全体が見渡せる高台に点在し、緑豊かなランドスケープに溶け込んでいる。それぞれの客室からはテラス越しに農地やアートが望め、自然との一体感を感じられる。

室内は無垢材や石など再生可能な自然素材を多用し、シンプルで温かみのあるデザイン。ミナ ペルホネンのアイテムに調和させたオリジナルの木製家具もあり、日常の延長のように寛げる場となっている。家具も手がける吉田だからこそ実現できた空間だ。

03_220920-269.jpg
レセプションを兼ねたキッチンラウンジの「タッカ」には、暖炉を中心に使い勝手のよいキッチンとダイニングテーブルが用意されている。

敷地内には畑で収穫した野菜や卵を使って調理や食事が楽しめるキッチンラウンジの他、レストラン、サウナも完備。自然の中で暮らすようなひとときを、ぜひ体感してほしい。

04_220920-833.jpg
六角形のかたちをした貸切りサウナでは、薪を使った本格的なフィンランド式サウナが楽しめる。外にはシャワーと水風呂が完備。

 

05_220920-938.jpg
カウンター越しに景色を望むレストラン「ペルース」。農園の野菜やジビエ、地元産の魚などの食材を使った料理を提供する。

コクーン

住所:千葉県木更津市矢那 2503 クルックフィールズ
TEL:080-4838-0865
料金:全7室 ツイン¥52,800~ ※1泊2食付き・サービス料・環境保全料込み、クルックフィールズ会員費別
https://kurkkufields.jp
【設計者】イッケン(ikken)
代表の吉田隆人は、1977年京都府生まれ。2006年からレミングハウスに勤務。14年にイッケン設計室を設立。代表作に『HIN / Arts & Science』など。京都を拠点に建築から家具の設計、製作を行っている。

関連記事

※この記事はPen 2023年5月号より再編集した記事です。