柄本佑「アクションの割合もどんどん増えていって(笑)」映画『シン・仮面ライダー』刺激的な撮影現場の裏側

  • 写真:筒井義昭
  • 文:SYO
  • スタイリング: 林 道雄
  • ヘア&メイク:東 みほ

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3月18日に公開を控える『シン・仮面ライダー』。劇中仮面ライダー第2号、一文字隼人を演じたが柄本佑が語る、本作の魅力とは? 現在発売中のPen最新号『シン・仮面ライダー徹底研究』より抜粋して紹介する。

2月28日(火)発売のPen最新号では、映画『シン・仮面ライダー』の公開に合わせ、初期のテレビシリーズや石ノ森章太郎の功績を振り返りながら、庵野秀明監督をはじめとするクリエイターたちのこだわりや、仮面ライダーやサイクロン号などのデザイン、出演者たちの想いを徹底取材。


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柄本佑●1986年、東京都生まれ。2003年、映画『美しい夏キリシマ』でデビュー。以降、『きみの鳥はうたえる』『火口のふたり』『心の傷を癒すということ』『空白を満たしなさい』などに出演。24年放送のNHK大河ドラマ『光る君へ』が待機中。

ブレない、群れない、だが閉じこもらない。確固たる信念をもつが快活な好人物。『シン・仮面ライダー』の一文字隼人は、演じた柄本佑と絶妙にシンクロする。

自身のお気に入りだという『仮面ライダークウガ』を熱く語る柄本さんの姿を見ていると、こちらも自然と笑みがこぼれてくる。それはきっと純然たる「好き」という感情が伝わるからだろう。映画をこよなく愛する彼は、今回の現場をどう〝楽しんだ〟のか?

「カメラが20台くらいある特殊な現場ではありましたが、撮影現場というものは監督やそのチームによって変わるものですから、そこまで驚きはありませんでした。それより印象的だったのは、スタッフみんなの『庵野秀明の新作を観たい』という想い。信頼感と期待値がものすごく高い現場でした」

もちろんその熱量は、柄本さんからも放出されていた。いちファンとして庵野監督の創作への興味を語る彼の口からは、庵野作品への愛が次々と飛び出してくる。

「僕は『ラブ&ポップ』が特に好きなのですが、いい意味で、庵野さんの映画に対する姿勢はその頃から変わっていないと感じました。90年代当時から電車の模型にカメラを乗せたり、さまざまな挑戦をされていましたから。また、書き手としての庵野さんに感じる魅力は、転換の妙。『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』然り、これを現代に持ち込むか!という先見の明や構成力には驚かされます」

本作『シン・仮面ライダー』にも、庵野監督の“らしさ”を随所に感じたと目を輝かせる柄本さん。

「特に、仮面ライダーをいち個人として見る目線です。オーグメンテーションされてしまった人間が変身する違和感を漫画以上に色濃く出していて、描かれるのは明らかに人間ドラマ。地に足のついた現実感がありました」

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本郷猛と対照的なキャラクターとして快活に描かれた一文字隼人。仮面ライダーのカッコよさを追求し、「自分でも想像がつかなかったカットが出来上がった」と柄本さんは語る。

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そんな敬愛するクリエイターとの現場は、百戦錬磨の彼でも予測不能な刺激の連続だった。

「もともと僕のアクションシーンはあまり予定されてなく、『変身後はスーツアクターが演じます』と言われていました。とはいえ念のため動ける身体づくりをして現場入りしたら、変身後も自分が演じることになり、アクションの割合もどんどん増えていって(笑)」

普通の役者なら慌てふためく事態だが、柄本さんは「庵野さんの想いはよくわかる」と理解を示す。

「アニメであればゼロからカッコいいアクションシーンを描けますが、実写では生身の人間の肉体性が絶対に入ってきます。泥仕合でもいいから必死になって動いているほうが面白いですもんね」

最後に柄本さんは笑いながら、生身の人間性にこだわった撮影のエピソードを聞かせてくれた。

「実は今回、モーションキャプチャスーツを着た撮影も経験しました。撮影の待ち時間に池ちゃん(池松壮亮)と僕がだべっている時の感じが面白いから、それを撮りたいんだと言われて。きっと庵野さんは役者自身の身体性、オリジナリティをピックアップしたいと思ったんでしょうね」 

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柄本演じる一文字隼人は正義感あふれるジャーナリスト。SHOCKERに目を付けられ、オーグメンテーションされるも強い精神力で制御し、元来の性格を保持する特例に。本郷の前に立ちはだかる彼は敵か、味方か? 

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『シン・仮面ライダー』

監督/庵野秀明
出演/池松壮亮、浜辺美波、柄本佑ほか 2023年 日本映画
2時間1分 3月18日より全国公開予定。
https://www.shin-kamen-rider.jp

 

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