迫力の高画質・大画面が、いつでもどこでも目の前に

  • イラスト:信濃八太郎
  • 編集:一ノ瀬 伸

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〈スマートグラス〉
Nreal Air(エンリアル エアー)

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「Nreal Air」は、サングラス型スマートディスプレイ。軽量かつコンパクトで携帯しやすい。ケースも付属。ストリーミング動画再生時の連続稼働時間は最大約5時間。¥45,980

VR、AR、MR……と眼鏡型ディスプレイが多く登場しているが、画質のよさで注目したのが、北京のエンリアル社のARグラス「エンリアル エアー」。超小型映像デバイスの反射光にて、視野の中に大きな画角の画像を生成するサングラス型ディスプレイだ。

まず印象的なのは質量だ。約79g(ノーズパッドを含まず)と、軽快。同類のヘッド・マウント・ディスプレイは数百グラムだから、いかに軽いかがわかる。接続はスマートフォンやPCとUSBタイプCケーブルで結び、それらのコンテンツが画面に映し出される。各種アプリや複数画面を出す「ARモード」と、1画面を映す「エアーキャスティングモード」があり、YouTubeやNetflixなどの動画の鑑賞には、後者モードがいい。

半透明の背景の手前、感覚的には数メートル先に、数十インチの横長画面が浮かび上がる。画素数は両眼で3840×1080というから、言い方としては4K×1Kだ。また、本機はコントラストに優れている。黒が締まり、対極の白もクリア。色もしっかりとした彩度感が得られ、解像感も映画や映像鑑賞に必要なレベルを満たす。

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使い方はシンプル。スマホなどにコードを接続すれば130インチのシアター級巨大スクリーンが目の前に現れる。1月のアップデートで3Dコンテンツにも対応予定。

高画質の秘密は明らかだ。いま、高画質が喧伝されている有機ELで描画しているから。正確にはOLEDマイクロディスプレイという超小型デバイスで、しかも斯界最高といわれるソニー製だ。単結晶シリコンウェーハの上に有機ELレイヤーが形成され、俊速な動画対応も可能にした。前面を付属のシェードで被うと、全体に輝度が下がり、黒も締まる。つるに仕込んだスピーカーは貧弱なので、音は完全ワイヤレスイヤホンで聴くといい。掛け心地や画質のよさは、まさに次世代ディスプレイ登場と言いたくなる傑作眼鏡型ディスプレイだ。

麻倉怜士

デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。著書に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)がある。

問い合わせ先/日本 Nreal アフターサポート
after_sales_JP@nreal.ai

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※この記事はPen 2023年3月号より再編集した記事です。