意外にも日本の家庭料理にマッチする、華やかな“バラ色”のシャンパーニュ【プロの自腹酒 vol.4】

  • 文:西田嘉孝
  • 写真:榊 水麗
  • イラスト:阿部伸二

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ルプルー・プネ/シャンパーニュ ラ・ヴィ・アン・ローズ グラン・クリュ

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創業は1660年。1929年にレコルタン・マニピュランとして出発し、「完璧な風味と美しいまでのバランス」と称されるシャンパーニュを生産するルプルー・プネ。そんな名門ドメーヌが手がける「ラ・ヴィ・アン・ローズ グラン・クリュ」は、ピノ・ノワール100%のロゼ。赤い果実の香味と心地よいミネラル、キレのいいフィニッシュを導くきれいな酸が特徴だ。750㎖ ¥9,680/オー・トロワ・ソレイユ http://auxtroissoleils.shop-pro.jp

ワインスクール「アスカ・レコール・デュ・ヴァン」を主宰するかたわら、東京では西麻布でワインバーとワインショップを経営。パリでも日本酒とシャンパーニュをテーマにした和食店「エンヤー」を経営するなど、国内外でワインや日本酒の楽しみ方を広めてきた杉山明日香さん。

精力的に生産者のもとを訪ね、1年の半分を海外で過ごすという杉山さんにとって、多忙な日々の合間に、自宅でホッとひと息つく際に欠かせないのが、大好きな“ロゼ泡”だ。なかでも定番の“自じ 腹ばら酒ざけ”が、シャンパーニュの名門ドメーヌ、ルプルー・プネの「ラ・ヴィ・アン・ローズグラン・クリュ」。

「ルプルー・プネは、シャンパーニュのグラン・クリュの中でも、ピノ・ノワールに定評のあるヴェルジとヴェルズネイを拠点とするつくり手です。彼らの畑はシャンパーニュのピノ・ノワールの土壌では珍しく、日照時間があまり長すぎない北向きの斜面にあり、最もエレガントなピノ・ノワールを産むとされています」

そんな自社畑で栽培した特別なブドウのみを使ったロゼ・シャンパーニュに、杉山さんが決まって合わせる“おとも”が豚しゃぶだ。「海外でも日本でも普段は会食が多いので、家では手軽に肉や野菜がとれるお鍋が多くなるんです。お鍋には白の泡も合いますが、ベリー系の赤い果実味が感じられるこのワインなら、胡麻ダレなどの濃厚な味わいも受け止めてくれる。ポン酢なら、酸の爽やかな香りが泡とともに鼻から抜けていきます。家庭料理と合わせるなら、“ロゼ泡”は実は万能選手なんですよ」

“バラ色の人生”を意味する「ラ・ヴィ・アン・ローズ」は、普段の食卓に彩りを添える一本としてうってつけ。ワインの伝道師にならってぜひ、ちょっと贅沢な“ロゼ泡”を自腹酒に取り入れてみてはいかがだろう。

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優美な泡と果実味に、ベストマッチな一品

豚肉とネギだけのシンプルな豚しゃぶが大好物。肉でネギを巻いて食すのが杉山さん流。ネギの辛味とピノ・ノワール由来の果実味、ポン酢の香りが“ロゼ泡”と好相性。

杉山明日香

佐賀県・唐津市出身。ワインスクールを主宰する他、東京・西麻布で「ゴブリン」「カーヴ・ド・アスカ」を経営。著書に『ワインの授業フランス編』など。

カーヴ・ド・アスカ

住所:東京都港区西麻布4-1-5 DOUEIビル2F
TEL:03-3407-1771

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※この記事はPen 2023年3月号より再編集した記事です。