1884年にスイス・ビール(ビエンヌ)で創業した時計ブランドのエドックスは、1961年に独自開発の防水機構「ダブルOリング」(特許取得)を備えた200m防水の「デルフィン」を発表。“The Water Champion”のスローガンとともに、信頼性の高い防水時計のパイオニアとして世界的に知られるようになった。防水時計といえばネジ込み式リューズが一般的だが、「ダブルOリング」はリューズの軸を取り巻くシーリング(ゴムパッキン)を二重にすることで気密性を飛躍的に向上。さらに特殊な内部構造を持つ堅牢なケースによって、1965年には500m防水も実現している。
この機構・構造と歴史を忠実に継承するヘリテージモデル「デルフィン」は、2020年にダイヤルを大胆にカットした初のオープンワークモデル「デルフィン メカノ オートマティック」をリリース。翌21年にはブランド誕生60周年記念モデルとしてプロペラモチーフのオープンダイヤルが限定で登場したが、2022年には原点のデザインに復帰。細身ながらも力強さを感じさせる幾何学的なオープンダイヤルに、グレーとブラック、グレーとオリーブグリーンを巧みにコンビネーションした2タイプの新作がデビューした。

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個性際立つブラックとオリーブグリーンの2タイプ
グレー×ブラックのモデルは、ケース表面をグレーPVDで塗装する一方で、ベゼルのビスと12角形の外周、それにリューズ部分をブラックにしており、シャープな立体感を演出。5連のブレスレットも、グレーベースにブラックの中ゴマの組み合わせがケースと一体化したラグにまで及んでおり、全体を貫く2本のブラックストライプが印象的に映える。その中心に位置するダイヤルも、カットワーク部分とフランジ(ダイヤル外周の見返し)をブラックにすることでコントラストを際立たせており、ラグジュアリーかつスポーティなモデルに仕上がっている。
グレー×オリーブグリーンのモデルは、ダイヤルのカットワーク部分とフランジ、そしてラバーストラップにオリーブグリーンを採用。くすんだ黄緑とも表現できる個性的なカラーが手首まわりを彩ることになる。グレー×ブラックモデルと同じく、ケース表面はグレーのPVD加工。ベゼルのビスと12角形の外周、リューズをブラックにしているため、このモデルも要所がくっきりと際立っている。

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レガシーを継承するビス止めベゼル
ちなみに、このカットワークはエドックスのロゴである“砂時計”を再解釈してデザインされたという。その向こうにある機械式ムーブメントも、テンプの往復振動を見やすくするだけでなく、ゼンマイの動きが分かるように香箱の蓋をカットするなど、繊細な工夫が施されている。
12角形のビス止めベゼルが印象的な200m防水のハイスペックな“ラグスポ(ラグジュアリースポーツ)”であり、コスパ的に絶妙な価格も魅力ではないだろうか。

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