川内倫子の新シリーズからマン・レイの立体作品まで。Penが選んだ今月の展覧会2選

  • 文:河内タカ(アートライター)

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生命の営みや自然との関係を再考する、川内倫子の新たなシリーズを展示

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『無題(』シリーズ「M/E」より)2020年

国内外で高く評価されている川内倫子(1972-)は、やわらかい光をはらんだ独特の淡い色調を特徴とする写真家で、初期から一貫して、人間や動物、生命がもつ神秘や輝き、儚さをテーマにして写真を撮り続けている。本展はアイスランドなどを撮影し、地球とのつながりを主題化した新シリーズ「M/E」と、コロナ禍における日常やこれまでに発表してきたシリーズからセレクト。川内作品を特徴づける空気と光をはらんだ独特の質感が感じられる展示となる。映像作品も上映。

『川内倫子 M/E 球体の上 無限の連なり』

開催期間:10/8~12/18
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:11時~19時(11/3~6は10時~) ※入室は閉室の30分前まで 
休館日:月曜日 ※祝日の場合は翌火曜日
料金:一般¥1,200
https://rinkokawauchi-me.exhibit.jp

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身近に置き、愛してやまなかった、マン・レイの立体作品とは

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『破壊されざるオブジェ』1923/75年 メトロノーム、写真 東京富士美術館 © MAN RAY 2015 TRUST / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 G2928

20世紀のアメリカとパリを拠点にして活躍したマン・レイ(1890-1976)は、絵画、写真、オブジェ、映画など実に多岐にわたる作品を制作した。そのマン・レイのオブジェ作品に焦点を当てた本展は、アイロンに鋲びょうを一列に取り付けた『贈り物』、メトロノームの振り子に瞳の写真を付した『破壊されざるオブジェ』を含む、国内所蔵のオブジェ約50点と、関連する作品や資料を合わせた約150点によって構成されている。知的でウィットに満ちたマン・レイの世界を堪能したい。

『マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち』

開催期間:10/8~23年1/15
会場:DIC川村記念美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9時30分~17時 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(10/10、1/2、9は開館)、10/11、12/25~1/5、10
料金:一般¥1,500 
https://kawamura-museum.dic.co.jp

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※この記事はPen 2022年11月号より再編集した記事です。