ケロッグコーンフロスティ味からハインツのケチャップ味まで、「アニヤ・ハインドマーチ」が仕掛けるユニークなアイスクリーム店が連日盛況

  • 文:宮田華子

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@anyahindmarch – instagramのキャプチャ画像。

この夏(も?)、アイスクリームのお世話になっている人は多いはずだ。汗が滝のように流れる酷暑日は特に、冷たくて喉ごしのよいアイスクリームは「心の支え」であり最高のご馳走だ。

イギリス・ロンドンは例年「涼しい夏」が基本だが、今年は寒暖の差が激しく異常気象を肌で感じる。20度台の日が多いものの、7月に40度を記録した日が2日間続き話題となった。8月に入り、再び30度超えの日が続いている。

イギリス人は年間を通してアイスクリームをよく食べるが、暑い日はスーパーのアイス売り場が文字通り「空っぽ」になる。この夏、「アイスクリーム大好き!」のロンドナーの目をくぎ付けにしているのが、ファッションブランド「アニヤ・ハインドマーチ」の複合店舗「ザ・ヴィレッジ」に夏季限定で登場した「アイスクリーム・プロジェクト」だ。

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アニヤ・ハインドマーチとは?
デザイナー、アニヤ・ハインドマーチが手掛ける、職人技が冴えるバッグやアクセサリーで知られるラグジュアリー・ブランド。1993年、ロンドンWalton Streetに1号店をオープン。2007年に限定発売した「I'm NOT A Plastic bag」と書かれたトートバッグは世界中の話題に。2021年、ロンドン・ベルグラビア地区に同ブランド経営の5店が舗隣接する複合店舗「ザ・ヴィレッジ」をオープンした。

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旨味と香ばしさが好評の「醤油アイスクリーム」も!

全14種類のアイスクリームは、イギリス人になじみの食品や調味料ブランドとのコラボ・フレーバーだ。

フレーバーのユニークさだけでなく、ハインツのケチャップやケロッグのコーンフロストなどフレーバーの元となっているパッケージのオリジナルデザインを使用したカップのカラフルさも人気を後押ししている。

ファッションブランドのプロデュースとあり、「見せ方」も見事。見覚えのあるロゴやデザインを使用したパッケージは見ているだけで楽しい。

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人気のフレーバーは以下の5種だ。

■紅茶フレーバー

イギリスのティーバッグブランド「TG Tips」のアイスクリーム。「定番?」と思いきや、実はイギリスではあまり紅茶フレーバーのアイスクリームを見かけない。しっかり濃く抽出した紅茶がたっぷりと使われたアイスクリームは、冒険心なしでもトライできる「安心の味」。

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■醤油フレーバー

キッコーマンとコラボした、醤油とゴマフレーバーのアイスクリーム。見た目はチョコレートだが、醤油の塩味とゴマの香ばしさ、そして旨味が奏でる深い味わいのコラボが好評だ。

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■マヨネーズ・フレーバー

注文するのに一瞬勇気を必要とする「ハインツ」のマヨネーズ・フレーバー。しかし先入観とは異なり、レモン風味とビネガーの酸味が効いた、濃厚かつクリーミーな美味しさが味わえる。

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■ベイクドビーンズ・フレーバー

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中央がベイクドビーンズ・フレーバー。@style_department – instagramのキャプチャ画像。

ボリューム満点、イギリス名物の朝食「イングリッシュ・ブレックファースト」の定番料理である「ベイクドビーンズ」とは、ケチャップ味でほんのり甘い味付けがされた大豆。これが「タンパク質が豊富、かつ濃厚な甘さ」のアイスクリームに変身! トッピングのビーンズが「これってアリ?」なのも愛らしい。

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■ウスターソース・フレーバー

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前列中央がウスターソース・フレーバーのアイスクリーム。@style_department – instagramのキャプチャ画像。

1837年にイギリス・ウスターで調剤薬局を営んでいたジョン・ウィリー・レアとウィリアム・ヘンリー・ペリンズによって販売が開始された「リーペリン」のウスターソース。トマトジュースやブラッディマリーに1~2振りすると美味しいことで知られているが、なるほど、このアイスは甘いトマト味のフルーツシャーベットにウスターソースでアクセントをつけたもの。これは美味しくないわけがない。

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ポップアップショップは8月28日まで。

7月9日から始まったこのアイスクリーム・プロジェクトは、8月28日で終了予定だ。連日「ザ・ヴィレッジ」にはこのスペシャルなアイスクリームを求めて、長蛇の列ができている。

「今すぐロンドンにアイスクリームを食べに行きたい!」と思っても、海外渡航が難しい現状。しかし本プロジェクトは連日「売り切れ御免」の大盛況なので「来年の夏も、このポップアップショップがあると良いのに!」の声がすでに出ている。

来年「こそ」、自由に海外渡航できることを期待したい。

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