名門ECMのエース的存在、トルド・グスタフセン・トリオによる欧州ジャズの美しい旋律

  • 文:山澤健治

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【Penが選んだ、今月の音楽】
『オープニング』

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トルド・グスタフセン・トリオ UCCE-1193 ユニバーサル・ミュージック ¥2,860

静謐の美学と先鋭性で知られる名門ジャズレーベル、ECM。そのエース的存在であるノルウェー人ピアニストの4年ぶりのトリオ作。少ない音数で紡がれる抒情豊かな美しい旋律は、どこか瞑想的でありながらも哲学的な響き。ドラムスの繊細なスティックワークと新加入のベーシストによる変幻自在のベースラインがアンサンブルに彩りを加え、深淵なる世界が描かれる。とりわけ、ベースの創意あふれる弓弾きアルコ奏法とエレクトロニクス使いが随所で効果を発揮。欧州ジャズの美品に華を添える。

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※この記事はPen 2022年9月号より再編集した記事です。