お金持ちになりたい人が考えるべき「3つのこと」

  • 文:川畑明美

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資産を増やすための方程式をご存じだろうか。(収入-支出)+(資産×運用利回り)。これが、資産を増やす=お金持ちになるための方程式だ。この方程式を分解してみると、お金持ちになるには次の3つしか方法がないことがわかる。


1)収入を増やす

2)支出を減らす

3)運用利回りを上げる

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お金持ちになるためにすることその1
→収入を増やす


収入を増やすには、主体的に行動することだ。上司に言われたことだけをやっているだけでは、収入は増えない。会社勤めでも業績や売上に貢献できれば、収入はアップする。自分で考え、行動することができなければ収入を上げることはできない。逆に主体的に行動し業績を上げられれば昇給も可能だ。


ただし企業にお勤めの場合、すぐに収入を上げるのは難しい。時間もかかる。給料を上げるのに時間がかかるならば、給料以外で収入を確保しよう。まずは「不要なモノを売る」ことからはじめるといいだろう。使わずに眠っていたものを売却するだけでお金にかわる。


不用品のために家賃を払うのはとてももったいないことだ。不用品を売却したら部屋も広く使うことができる。空いた部屋で習い事の教室を開いてもいい。筋トレやヨガを教えてもいいし、英会話やお料理教室でもいい。また持ち物が少なくなれば、小さい部屋に引っ越すことで家賃も節約することも可能だ。

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お金持ちになるためにすることその2
→固定費や保険料、税金の見直し

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節約や節税はノーリスク・ハイリターンだ。出ていくお金を少なくしたら、あとはお金が貯まるばかり。tdub303-istock

ふたつ目の支出を減らすことは、リスクを取ることなく、必ずお金を増やせる方法だ。特に固定費は、定期的に見直すといいだろう。電力自由化も1年くらい経過するともっと有利な条件の電力サービスがあったりする。携帯電話料金も定期的に見直したい。キャリアの乗り換えはもちろんだが、現在契約している内容でも使わないサービスは見直したい。定期的に使わないサービスを外すことは、とても大事だ。


もちろん「保険料」や「税金」もチェックしよう。生命保険料は、子どもが大きくなれば必要なくなる。医療保険もある程度預貯金があれば必要ない。保険は病気にならなければ使えないが、預金だったら病気にならなければ他のことに使うこともできるからだ。また、税金の制度をよく調べることも大事なことだ。税制を知っているか知らないかで節税できるポイントは大きく変わる。


また、助成金や補助金もよく調べて欲しい。自治体によって違うので、お住まいの地区の自治体のホームページをよく調べてみよう。我が家は窓を二重窓にして、区から補助金をいただいた。二重窓にすることで、夏は涼しく冬は暖かく、冷暖房費が少なく済む上、補助金ももらえたので大きく支出が抑えられた。

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お金持ちになるためにすることその3
→投資の原資を増やす


投資の運用利回りを上げれば、お金は早く増える。ただし、運用利回りが高い投資方法ほどリスクも高くなる。資産運用で6~8%の利回りがあれば、10年で2倍に増やすことも可能だ。大きく増やすには、投資の原資を多くする必要がある。例えば年間40万円投資して8%のリターンが得られたとする。この場合の利益は、3万2000円だ。だが年間120万円投資でき、同じく8%のリターンを得られれば9万6000円の利益になるのだ。


この利益をさらに運用することで複利で増えていく。だから、できる限り投資にお金を回すことが早く資産を増やすことにつながる。ただし万が一に備えておく「生活防衛資金」は預貯金で確保することは必須だ。預貯金は元本保証で減ることもなく換金性にも優れているから万が一の時にもすぐに現金を手にすることができる。生活防衛資金は生活費の6ヶ月分くらいを目安にしておくと良いだろう。

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運用利回りが変わると意識も変わる

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貯蓄ができないのは、金利が低いからかもしれない。ほとんど増えないところにお金を置いておくとリバウンドしてしまう。takasuu-istock

投資をするのなら国が用意しているNISAやiDeCoなど税制的に得をする仕組みを利用しない手はない。つみたてNISAとNISAのどちらがいいのか迷われている方もいるが、筆者はNISAをお勧めする。理由は、前述した通り年間40万円のつみたてNISAでは、上限が少なく大きな利益にならないからだ。新NISAが終了した後の2029年から、つみたてNISAにしてもいいのだ。

また今、投資に回せる資金がないとしても、まずはNISAでスタートすることをお勧めする。なぜなら投資でお金が増える体験をすると生活の無駄も見つけられるようになるからだ。ちっとも増えない預貯金の場合、節約して貯めるのがバカバカしくなり少し貯めたところで、リバウンドして無駄遣いをしてしまうのだ。過去、ご相談にいらした方で「貯金では50万円以上貯めることができなかったのに投資を家計に取り入れてからは、500万円くらい貯めることができました」と、感想をいただくことがある。

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リターンだけでなくリスクも考える

そもそも筆者が投資を家計に取り入れるキッカケとなったのは、子どもの中学受験の費用のためだった。受験までには、9年という時間があったので、思い切って教育費を投資を投資で増やそうと考えたのだ。もちろんリスクを摂り過ぎて受験時に使えないお金になっていては、本末転倒だ。だからリターンだけでなくリスクについてよく考えた。


リスクを回避するために、「何のために投資をするのか?」この点をよく考えた。そして中学受験について調べてみると進学塾に必要なお金も300万円くらい必要だった。進学塾費用を途中で引き出す必要があると考え、少額から売買できる「投資信託」で運用することにしたのだ。

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資産運用をしていて良かったと思った瞬間

それでも当時はまだ投資信託の積立も1万円からという時代だった。ETF(投資信託を上場して株のように時価で購入できる金融商品)も最低購入額は10万円から20万円だった。最初に投資信託の積立投資をはじめた頃は、月2万円しか投資に回わせる資金がなかったので2銘柄しか購入できなかった。その後、1000円から積立ができるようになり、複数の投資信託でポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)を組むことができるようになったのだ。


複数の投資信託を運用していたおかげで、進学塾の費用は、利益がでている投資信託を売却して支払うことができた。複数の投資信託を運用することで、いずれかの投資信託は利益がでていたからだ。進学塾の費用は、先進国株と国内債券の投資信託を売却して支払っていた。その後、日本株がアベノミクスで大きく上がり、ちょうど入学金を支払う時には、十分な利益を得ることができた。投資をしていて本当に良かったと思った瞬間だ。

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【執筆者】
川畑明美●ファイナンシャルプランナー 「私立中学に行きたいと」子どもに言われてから、お金に向き合い赤字家計からたった6年で2000万円を貯蓄した経験をもとに家計管理と資産運用を教えている。HP:https://www.akemikawabata.com/

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