茶師10段が下北沢でつくった、濃い抹茶アイスの連なる味の変化に驚く!

  • 写真・文:高橋一史
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まずは色の濃い抹茶シロップが掛かったソフトクリーム部分をスプーンですくって一口。

「ウマい!すごい抹茶感。商品名はソフトクリームだけど、触感は柔らかめのアイスクリーム。チープ感と無縁のしっかりしたコク!下北沢の日本茶といえば『しもきた茶苑大山』と名が挙がるだけのことあるなあ。」

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続いてソフトの周囲にぎっしりと注入されたエスプーマの泡をしゅわっと口に入ると、
「にがっ!なにこの本気度。甘みがほとんどなく、抹茶そのもののふわふわの泡。ただスゴいけど、スイーツにしてはやりすぎのような……」

そう思いつつソフトクリームと絡めて食べたら印象は一変。
「何層もの抹茶レイヤーが口のなかで波を打つ!甘みも味も、別の世界に持っていかれたっ。エスプーマはこの動きを生むためのサポートだったのか」

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ひっそりと佇むシャリシャリした氷が触感のアクセントになり、“食べごたえ”までプラス。
もう十分に満足なところに、「忘れないでね」と語りかけてくるのが透明カップから覗く白いヤツ。
トロッとした冷たいミルクのエスプーマなのです。
こちらは泡というよりアイスの風合い。
「抹茶部分に混ぜてみよう……おっ、抹茶ラテに変身!」
苦味が重なる味の奥行きを、まろやかに持っていく匠みな工夫。

商品名は単なる、
「抹茶ソフトクリーム」
です。
こんなシンプル名称でいいのか!?と思っちゃう、抹茶のフルコース。
“アイスクリーム”と呼べばもう少し貫禄つきそうなものの、乳固形分と乳脂肪分の含有量の問題でそうは名乗れないでしょう。

外で食べるテイクアウトスイーツとは思えないクオリティ。
抹茶好きもスイーツ好きも楽しませようとする心が感じられる出来栄えです。

これでわずか¥540(税込)。
販売場所は、真っ白な建物が並ぶリゾート感たっぷりの新興商業施設「リロード(reload)」。
目にも舌にも体感にも涼しいリラックスした時間。

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便宜的に「茶師10段」とメディアが呼ぶ、「全国茶審査技術競技大会十段」とは、茶葉の目利き力が問われる資格。
年ごとに一段積み重なる制度もあり、例え“天才現る”だとしても10段を得るには最低5年かかるようです。
全国に15人だけとされる10段には、一人ひとりに物語がありそう。

1970年に開店し、90年に「しもきた茶苑大山」の店名になった下北沢のこのお茶屋を10段の茶師が運営してます。
2020年にシモキタのお隣である世田谷代田に開業して話題を集めた温泉旅館「由縁別邸 代田」の茶廊が採用しているのもここのお茶。

かき氷が若い子にも大人気だったしもきた茶苑大山が、リロードに移転したのが21年10月。
イートインスペースがなくなり、店内での茶葉販売とテイクアウトスイーツ&ドリンクのみの業態になりました。
かき氷のオフシーズンの秋にひっそりと移転オープン。

しかしこの22年夏!
行列復活ですよ、そりゃそーですよこの味なら。

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テイクアウト販売は、14時〜18時のみ。
水曜定休なのもお忘れなく。
「抹茶ラテかき氷」(¥864税込)もあります。

幸いにもわたしは下北沢駅で電車降りて歩いて帰ることがあるくらいの距離に住んでますから平日でもふらふら行けますが、土日しか無理って人多いですよね。
行列はご覚悟ください。
平日夕方でも5組ほど並びましたから。
オーダーしてできあがったら受け取りにいくシステムで、列の動きはスムーズ。
そのあとの満足度は高いと思います。
食べ物の行列がだいっきらいなわたしが言うのだから間違いない(?)。

リロード誕生と同時オープンした「オガワコーヒーラボラトリー下北沢」の追っかけ取材記事をつくってたときから、
「しもきた茶苑大山が入居するのがこの商業施設のハイライトなんだろうな」
と考えてました。
本格抹茶のあとは本格コーヒー、そんな大人のシモキタがここに。

リロード
東京都世田谷区北沢3−19-20

All Photos©KAZUSHI

KAZUSHI instagram
www.instagram.com/kazushikazu/?hl=ja

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高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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