【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『鑑識レコード俱楽部』

物語の舞台はパブの一室。持ち寄ったレコードを聴くことを目的に設立された「鑑識レコード俱楽部」の主宰者ジェームズは気難しく、レコードについて一切の評価やコメントを禁止する。会員は、黙って曲を聴くだけ。やがて対抗勢力「告白レコード俱楽部」も登場。そちらはレコードを選んだ理由を告白することに重きを置き、女性会員が多い。鑑識レコード俱楽部の分派も誕生する中、ジェームズの俱楽部は存続できるのか。男たちのレコードに対する歪んだ情熱が、乾いた笑いを誘うユーモア小説だ。