暑い夏が何ヶ月も続くいまの日本。誰もが毎日の装いを工夫して、薄く涼しい服で過ごしている。街なかで大人が短パンを穿く行為も、すっかり市民権を得たようだ。オンオフ問わず服装のカジュアル化が進み、リモートワークも広がったことがこの流れを後押ししているのだろう。アウトドアブームでラフな服装を見慣れたことも、スポーティな街着に違和感を抱かせない一因かもしれない。
どうせなら足元もミニマルを極めて、スポーツサンダル(スポサン)にしたい。素足生活に慣れると、ショートソックス+スニーカーに戻れないほど快適な日々がやってくる。近頃は各ブランドからタウンユース向けの大人顔スポサンが続々と登場してきた。今回はそのなかから、履くだけで洒落た印象になれる優れモノを厳選してお届けしよう。
ピックアップしたブランドは、機能美に満ちた大御所キーンと、モードスポサンのジャンルを生み出した立役者のスイコック。各ブランドが提案する最新モデルと、当ファッション連載「着る/知る」がイチ推しする定番モデルの二本柱でご覧いただこう。
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ついに登場!大人気「ユニーク」のオールレザーモデル
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キーンの名をファッションシーンに轟かせた傑作にして、2014年のデビュー以来現在も日本市場ではダントツの売上を誇る編み紐サンダル「ユニーク」。このたび大人が待ち望んだ本革タイプがついに登場した。技術的に製造が難しく実現まで長くかかり、この夏にようやくお披露目された最新モデルだ。
推薦人は「家はキーンだらけで、ベランダに置いているシューズもそう。冬でもほぼ毎日キーンばかり履いてます」という生粋のキーン好きのアタッシェドプレス佐藤宏憲さん。好きが高じて彼が所属するPRオフィス「4K」でキーン・ジャパンと取引する間柄である。新モデル「ユニーク プレミアム レザー」に足を入れた佐藤さんいわく、「これいいですよ!すっと足に馴染みます。ユニークは近頃履いてなかったけど、また履きたくなる魅力があります」
アッパー、編み紐、フットベッドのシートが本革である。まず驚くのは手に持ったとき。しっとりとした革の感触が手に伝わり、“プレミアム”の名にふさわしいラグジュアリーな仕上がりを実感する。履いた姿のシックな佇まいも秀逸だ。化繊素材の通常のユニークとは明らかに差のつく風格がある。大人の装いにこれ以上ふさわしいスポサンはないだろう。
テレワークが広がり、冬でもサンダルで気楽に過ごす生活がスタンダードになった。レザーサンダルなら年間通して履きやすいはず。ユニークはタイトなつくりなので、厚手のソックスを履くなら普段より2サイズ大きめを選んでもいいかもしれない。ジャストサイズをしっかりと探し、長く愛用したい。
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足に吸い付く現代発想のEVAサンダル
キーンのラインアップのなかで、当ファッション連載「着る/知る」担当者の手放せない愛用品になったのがこの「シャンティ」。ファッションのセレクトショップでの取り扱いが急増しているトレンドモデルでもある。
EVA素材の一体成型タイプで、足を柔らかく包む。スライドサンダルにありがちな踵がパタパタすることもなく、スニーカーのごとく歩きやすい。フットベッドに起毛素材が貼られ、足裏がベタつかず心地いい点も秀逸だ。アウトソールはアウトドア調のラギッド仕様で、街歩きでも高パフォーマンスを発揮する。超軽量で旅行に持参するにも最適な、マストハブアイテムである。
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SDGsに進化した、大人が選ぶスイコック
現在のスポサンブームを予見していたかのごとく、06年に設立されてモード×スポサンの新ジャンルを生み出したスイコック。日本が世界に誇る新興シューズブランドだ。世界で初めてビブラム社とフットベッドを開発した機能性の追求にも定評がある。そのスイコックで注目される新しい試みが、22年よりスタートした「スイコックエコライン」。無駄をなくすモノづくりの時代への、スイコック流解答がこのラインである。
コーデュラナイロンのアッパーはリサイクル素材がベース。フットベッドはサトウキビ由来で、ビブラム社製のアウトソールはリサイクル素材を多く使ったもの。ルックスにも機能にも妥協せず、未来的なモノづくりに歩みを進めた意欲作だ。
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オーバーサイズの白Tシャツにスリムな黒パンツを合わせ、時計や髪の色とも調和する黒・白・ベージュの3色コーデを見せてくれたエリックさん。「スポーツ系の服装はあまりしないので」と、ミニマルクールなスタイルでスイコックを履きこなした。大人好みのシンプルな服装のときこそ、洗練されたスイコックが本領を発揮する。都会的なファッション性を重視する人に似合うブランドだ。
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走れるビーサン!?足にフィットする快適モデル
ベースはビーチサンダルでも、フィット感はまったくの別モノ。感動できるレベルの歩きやすさである。これも「着る/知る」担当者が日常使いする愛用品。工夫された特徴は、甲と踵にストラップがついていること。クッション材が仕込まれたゴロつかないストラップがしっかりと足をホールドする。街なかのアスファルトの上でも横ブレせず歩き続けられる出来栄えだ。
海辺や川といった悪路のアウトドアでも便利に使えるだろう。草履のような佇まいは、浴衣や作務衣といった和装にもよく似合う。一度履いたら普通のビーサンには戻れない、夏のワードローブの決め手になる個性派である。
今回の「着る/知る」 がお届けした2ブランドはいかがだっただろうか。彼らのラインアップにはほかにも、優れたモデルがたくさんある。自身のライフスタイルや服装に合うものを探し出して、夏を涼しく乗り切ろう!
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ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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