“天空の遊歩道”を実現したオランダ・ロッテルダムの特徴的な街並み

  • 文:ユイキヨミ
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ロッテルダム・ルーフトップ・ウォーク © Iris van den Broek

建築家集団MVRDVが、その本拠地オランダ・ロッテルダムに超ビッグで斬新な2つの屋上インスタレーションを建設した。どちらも足場パイプで建てられた期間限定の仮設建築、「ロッテルダム・ルーフトップ・ウォーク」(5月26日〜6月24日)と、「ザ・ポディウム」(6月1日〜8月17日)である。

ネオンオレンジの「ロッテルダム・ルーフトップ・ウォーク」は、街随一の目抜き通りコールシンゲルを挟んで建つ建物のルーフトップを、地上30mの高さで繋いだ全長600mの遊歩道だ。コールシンゲル上空に架かる長さ60mの歩道橋は、高所恐怖症の人にはたまらなくスリリングだが、これまでに見たことのない目線から一望する迫力あるシティースケープに、訪れた人々は皆感嘆の声をあげる。

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ロッテルダム・ルーフトップ・ウォーク photo:Kiyomi Yui

建物の屋上をジグザクに伸びる遊歩道は、ルーフトップスペースの新しい活用法の実例を見せるエキシビジョンを練り歩くルートになっている。屋上庭園、太陽光や風力エネルギー採取、雨水貯留機能や食料栽培、公共スペースとしての利用や屋上住宅など、画期的な提案やレジリエントな都市作りのアイディアを紹介する。

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ロッテルダム・ルーフトップ・ウォーク photo:Kiyomi Yui

一方、鮮やかなショッキングピンクの「ザ・ポディウム」は、オランダ建築協会ヘット・ニュー・インスティテュートの建物に固定した143段の階段と天空ステージだ。地上29mにある600m2のステージでは、期間中、周囲のアイコニックな建築パノラマを背景に様々なコンサートやイベントが開催される。

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ザ・ポディウム © Ossip van Duivenbode

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ザ・ポディウム © Ossip van Duivenbode

第二次大戦中に爆撃を受け、歴史的な街並みの大半を失ったロッテルダムには、戦後の復興で建設された平らな屋根の近代建築が多い。市当局は、このルーフトップの有効利用を積極的に推奨しており、新しく建てられるビルにはそれを義務づけてもいる。

現在まだ利用されていない市内のルーフトップスペースは18,5km2。温暖化や豪雨、住宅難、脱炭素化への移行など、多くの問題解決に寄与し得るこのスペースを、都市の第二のレイヤーとして柔軟なアプローチで考察しようというのがMVRDVの提案だ。

国連の調べによれば、2050年には、地球上の地上の2%程にあたる都市部に、世界人口の68%が集中すると予測されているとか。安全かつ健全な未来の都市環境のためにルーフトップが果たせる役割は、想像以上に大きそうだ。

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