ドイツ時計のユンハンスといえば、碁石をそのまま大きくしたようなバウハウス・ウォッチ「マックス・ビル」コレクションが広く知られているが、スポーツ計時でも1960年代から1980年代にかけて多くの世界的な大会で活躍。1972年にミュンヘンで開催された国際的なスポーツの祭典では公式タイムキーパーを務めている。これを記念して数量限定で発売された個性的なクロノグラフが、半世紀を経て「1972コンペティション」と「1972コンペティション・エディション」として甦った。
オリジナルを忠実に継承しており、ストップウォッチの上下にベルトを装着したようなスタイルに加えて、ケースは横方向に膨らみを持たせた大胆なオーバル型(楕円形)。縦位置に並んだ2つのサブダイヤルとタキメーターまわりは明るいオレンジで、陸上競技の舞台となるトラックの赤土色を想起させる。ダイヤルベースが黒っぽいアンスラサイトなので、12時位置の30分積算計やタキメーターが見やすく、6時位置の通常秒針と合わせて、デザイン的なアクセントにもなっている。ケースサイズも9時〜3時方向が45.5㎜、12時から6時が41.0㎜、厚さ14.5㎜と圧倒的な迫力。最近はジェンダーレスの小径モデルが目立つが、スポーツクロノグラフはこれくらいのボリュームと派手さがあってもいいかもしれない。
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スポーティな機能をより強化
現代的にアップデートされたのは、ネジ込み式のケースバックとリューズの採用による10気圧防水、両サイドを2本のSS製ビスで留めて手首を包み込むような角度で固定されたストラップ、擦り傷がつきにくい高硬度のサファイアクリスタル風防などだ。スポーティな機能がより強化されたといえるだろう。ダイヤルも、ブロック型のインデックスがやや大きくなったほか、時分針の形状もブラッシュアップ。デイト表示窓も横長となり、ダイヤルベースのアンスラサイトカラーを背景に数字を白抜きにするなど、全体的にスタイリッシュに仕上がっている。
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黄金時代を象徴するクロノグラフ
ユンハンスはドイツ南西部に広がるシュヴァルツヴァルト(黒い森)のシュランベルクで創業。1903年には3000人の従業員を擁する世界最大の時計メーカーとなった。1990年には世界に先駆けて電波時計を開発するなど、高度な技術力でも定評が高い。そんなユンハンスが自国で開催するスポーツの祭典の公式タイムキーパーに選ばれたのは当然ともいえるが、そうしたスポーツ計時の黄金時代を象徴するのが記念限定クロノグラフであり、現在では稀少なコレクターズアイテムになっているという。
これを復刻した「1972コンペティション」も世界限定1972本。18KWGケースにサブダイヤルを横並びにした3カウンターの「1972コンペティション・エディション」は50本のみの限定。50年前の華やかなスポーツの祭典を記憶する復刻モデルとして、コレクターのみならず、ユンハンス・ファンの注目を集めるに違いない。
問い合わせ先/ユーロパッション TEL:03-5295-0411
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