白玉を煎餅で包む⁉︎ 銀座の老舗による斬新なコラボ菓子を発見

  • 写真:河内 彩
  • 文:下井美奈子

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松﨑ろうる/上品な甘さの「ぎんざ空也 空いろ」の餡子と、天然着色料で色付けした白玉を、やわらかな瓦煎餅で挟んだ。生地に薄くクリームチーズを塗ることで軽い塩気を加え、甘さを引き立てる。1個¥385

1804年創業の老舗「銀座 松﨑煎餅」が昨年夏、本店を東銀座へ移転。歌舞伎座が目の前という好立地で、藤色の暖簾が目印だ。人気の瓦煎餅「大江戸松﨑 三味胴(しゃみどう)」はもちろん、8代目・松﨑宗平さんの目利きによる物販コーナーと、イートインスペースも備える。

新店で誕生した「松﨑ろうる」は、銀座の老舗和菓子店「空也」の5代目・山口彦之さんとの絆が生んだコラボ菓子。「ぎんざ空也 空いろ」の上品な餡子と、ビートレッドなどで着色した白玉をやわらかな瓦煎餅で包む。戦火から守られ、代々伝わる7丁の鉄の型で焼き上げた生地は、膨張剤などの添加物は使用せず卵に空気をたっぷり含ませた。ハチミツやバターが加わり、ほんのりとした甘さだ。

コーヒーと合う、ふんわりした煎餅と餡子の組み合わせは、和菓子の新たな世界を広げる。「先祖代々、その時代に合った品を扱ってきた」という老舗が、時世を見極め、しなやかに進化を遂げる。


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松﨑商店

住所:東京都中央区銀座4-13-8
TEL:03-6264-6703
営業時間:10時~18時30分L.O.
定休日:無休
https://matsuzaki-shoten.tokyo

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※この記事はPen 2022年5月号より再編集した記事です。