秋の夜長は家でウイスキー「グレングラント」を。相性バツグンな簡単おつまみとのペアリング

  • 写真:長谷川潤 スタイリング:廣松真理子 文:小久保敦郎

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蒸留所ごとに個性的な味を競う、シングルモルトウイスキー。なかでもピート香は印象に残りやすく、シングルモルト=スモーキーな味わいというイメージをもつ人は多い。だが一方で、スモーキーさとは対極をなす個性もある。代表する銘柄のひとつが、グレングラント。
このブランドは、ピート香とは無縁で通底するのはエレガントかつフルーティーな味わい。その魅力は世界の知るところで、イタリアではシングルモルトウイスキーのシェア最大を誇る。また、ジャパンウイスキーの父として知られ、ニッカウヰスキーを創業した竹鶴政孝は、スコットランド留学中にグレングラント蒸留所を視察で訪れたというエピソードがあり、世界の蒸留家からも注目を集めるブランドなのだ。フルーティーさが個性ゆえ、料理とも合わせやすいグレングラント。家飲みの機会が増えた昨今、家にある食材や購入したお惣菜をアレンジすればできる、手軽なおつまみと共にそれぞれの特徴を紹介しよう。

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グレングラント アルボラリス×ししゃものアヒージョ

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ししゃものアヒージョ。ししゃもは焼かずにガーリックオイルで煮込むだけ。オレンジの輪切りを加えることで、アルボラリスのフルーティーさといっそう寄り添う味に。

昨年、蒸留所設立180周年を迎えたグレングラント。その記念すべき年にリリースされ、今年から日本でも発売されているのが「グレングラント アルボラリス」だ。アルボラリスとは、ラテン語で木漏れ日を意味する。グラスに注ぐ液体は、その名の通りキラキラと明るい黄金色に輝く。このノンエイジのシングルモルトは、軽やかでスムースな飲み口が印象的。その中に、グレングラントの特長であるフルーティーさをしっかりと感じることができる。飲み方はストレートやロックに加え、ソーダ割りもお薦め。合わせる料理は、アヒージョなどいかが。素材の旨味が溶け出したオイルの味を、フルーティーなハイボールが口の中で爽やかにリセットしてくれる。グレングラントの入門編的位置づけのアルボラリスは、価格もお手頃な設定。構えることなく、気軽に楽しめるシングルモルトが誕生した。

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グレングラント10年×ポテトサラダ

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りんご入りのポテトサラダにスモークサーモンとゆで卵を添えて。ポテトサラダは市販のものにりんごを加えるだけでもOK。ディルがあれば、グレングラントとスモークサーモンはさらにいい関係に。

グレングラント蒸留所は、隣接する土地に広大なビクトリアンガーデンを所有している。果樹や草花が豊かに茂るその庭園から着想を得てつくられたのが「グレングラント10年」。フルーティーでフローラルというグレングラントの骨幹をなす味わいが、ボトルの中で再現されている。10年以上の熟成を経た原酒は、バーボン樽を主体にシェリー樽をバッティング。親しみやすさを感じさせつつ、芳醇な果実の香り、そして濃厚なモルトの味わいを楽しめる。料理を合わせるなら、たとえばスモークサーモンとポテトサラダはどうだろう。フルーティーなシングルモルトとスモークサーモンは鉄板の組み合わせ。ポテトサラダには、りんごを入れて。りんごの爽やかな風味が、グレングラント特有のフルーティーさと絶妙にマッチする。

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グレングラント12年×チョコレートブラウニー

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チョコレートブラウニーは、ナッツやドライフルーツ入りならさらに理想的。温めたチョコレートブラウニーにグレングラント12年をひと振りしても美味。

ピートを使わずに乾燥させた大麦麦芽を原料に使い、12年以上熟成させた原酒のみボトリング。「グレングラント12年」は、10年にとって兄のような存在だ。わずか2年の違いながら、ボディーはさらにしっかりとした印象。グレングラント特有のフルーティーさが、より深く感じられる。香りは華やかで、蜂蜜や洋ナシ、アーモンドを連想させる。デリケートかつ複雑な香りに加え、キャラメルやバニラのような甘やかな味わいもある。そんなグレングラント12年には、チョコレートブラウニーを。ウイスキーとチョコレートのマリアージュは一般的に親しまれているが、フルーティーで甘いニュアンスのあるこのお酒とは相性のよさがさらに際立つ。デザートと共に味わう極上の一杯が、食事の最後のひと時に華を添えてくれるはずだ。

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グレングラント18年×ラムチョップ

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ラムは塩コショウを振り小麦粉を軽くまぶして、ニンニクを炒めたオイルでシンプルに焼くだけ。ブルーベリーなどフルーツ系のソースをかけるとさらにいい。

シングルモルトウイスキーは、熟成に時間をかけることでさまざまな要素が花開く。バーボン樽に貯蔵され、長い年月を経て瓶詰めされる「グレングラント18年」。使うのはリフィル(再々利用)の樽に限定するからだろう、その色は長期熟成を経たとは思えないほど透明感のある黄金色だ。でも、飲めば円熟したシングルモルトそのもの。香りも味わいも重層的で、ひと口飲むたびに新しいなにかを発見できる。複雑な要素が絶妙なバランスを保ち、見事に調和する様子は、まるでオーケストラのよう。そんな懐が深い一本には、ラムチョップのソテーを合わせてみるのも面白い。ラムの力強い味を受け止める、熟成の妙を感じられるはずだ。のどを通り過ぎたあとの余韻も長く楽しめる、グレングラント18年。エレガントで、フルーティーなシングルモルトの極みが、ここにある。

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今回紹介したグレングラントは、ノンエイジの「アルボラリス」と「10年」「12年」「18年」の4本。それぞれに特徴があるものの、グレングラントの表現に欠かせない「フルーティー」というキーワードは共通する。それは、シングルモルトを飲み慣れた人だけでなく、これからの人にも親しみやすい味わいのこと。どれにするか迷ったら、まずはアルボラリスがお薦め。グレングラントの深みへとはまりゆく、素敵な第一歩になるだろう。

『グレングラント』

www.glengrant.com

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