映画監督・白石和彌とバーテンダー・小田健吾が語る、ワイルドターキーが唯一無二のバーボンである理由。

  • 写真:長谷川 潤
  • 文:西田嘉孝

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1942年のブランド誕生から現在に至るまで、世界中の愛好家に飲み継がれてきたプレミアムバーボン「ワイルドターキー」。ウイスキー好きの映画監督・白石和彌と、ブランドアンバサダーとしてワイルドターキー蒸溜所も訪ねたバーテンダー・小田健吾が、ワイルドターキーが体現する唯一無二の魅力を語った。

白石和彌(右)●1974年、北海道生まれ。若松孝二に師事し、助監督を務める。2010年に初長編『ロストパラダイス・イン・トーキョー』を発表。代表作に、国内の映画賞を総なめにした『凶悪』(13年)、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17年)、『孤狼の血』(18年)など。
小田健吾(左)●1982年、大阪・堺市生まれ。マンダリン オリエンタル 東京 マンダリンバー ヘッドバーテンダー。ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル。欧州のバー文化に触れバーテンダーの道へ。ワイルドターキーのブランドアンバサダーとしても活躍する。

バラエティ豊かな製品がラインアップされる「ワイルドターキー」。ベーシックな味わいの「ワイルドターキースタンダード」に始まり、日本市場限定で販売される「ワイルドターキー 8年」や「ワイルドターキー 13年」、さらにはライウイスキーの「ワイルドターキーライ」などを展開する。なかでも最高峰に位置づけられるのが、1年に1度リリースされる「マスターズキープ・シリーズ」。マスターディスティラーのエディー・ラッセルが毎年のテーマに合わせ、自ら厳選した希少な原酒のみをボトリングしたシリーズだ。そんなマスターズキープ・シリーズの最新作である「ボトルドインボンド」と「ワイルドターキー13年」を味わいつつ、映画監督・白石和彌とバーテンダー・小田健吾のプレミアムなバーボン談議が、マンダリン オリエンタル 東京のマンダリンバーでスタートした。

日本の飲み手に向けた、特別なワイルドターキー

ウイスキー好きの白石監督。仕事終わりに夜、ひとりで飲むのが至福の時間。

小田:僕は初めて飲んだバーボンがワイルドターキーでした。20代の頃にバーでカッコつけたくて、「いちばん男らしいウイスキーを」とオーダーしたら出てきたのがワイルドターキー。いまも大好きなお酒です。

白石:若い時はやっぱりウイスキーが憧れのお酒でしたね。僕も最初にウイスキーを飲んだのはカッコいいから。バーボンも昔から何気なく飲んでいますが、よく考えると詳しいことはあまり知りません。そもそもバーボンはどのようなお酒なのですか?

小田:もともとはスコットランドやアイルランドから新大陸に移った移民の人たちが、現地にたくさんあったトウモロコシやライ麦でウイスキーをつくろうとしたんです。それがいまもアメリカ・ケンタッキー州を中心につくられるバーボンウイスキーの始まりと言われています。

ウイスキーへの造詣が深い小田バーテンダー。マンダリンバーのヘッドバーテンダーとしてカウンターに立つ。

白石:他のウイスキーに比べて、製法や味わいにどのような特徴があるのですか?

小田:一般的にウイスキーの熟成には使い古した空き樽を使うのですが、バーボンでは内面を焦がしたバージンオークと呼ばれる新樽での熟成が義務づけられています。そうした新樽での熟成によってもたらされる、バニリンと呼ばれる甘い香りなどがバーボンの特徴。他にも原料中にトウモロコシを51%以上使用することやアルコール度数80度以下での蒸溜、ストレートバーボンと表記するには2年以上の熟成が必要になるなど、いくつかの定義をクリアしたものがバーボンウイスキーと名乗れます。

白石:なるほど。普段もバーボンは飲みますが、この「ワイルドターキー13年」にはすごく深みを感じますね。とてもおいしいです。

左から「ボトルドインボンド」、「ワイルドターキー13年」。ワイルドターキーとは七面鳥の意。1940年代に七面鳥ハンティングでふるまわれたバーボンウイスキーが評判を呼んだことから、ブランド名となった。

小田:一般的なバーボンの熟成年数は3~5年くらい。スコットランドや日本に比べて暑くて乾燥しているアメリカ・ケンタッキー州の熟成庫で、13年間も熟成させた原酒はごく限られたエリートのようなもの。ワイルドターキーでは、石灰石の層に磨かれた天然の硬水であるライムストーンウォーターを仕込み水とし、1940年から大切に使い続けられている自家製酵母を発酵に使用します。そうした水や酵母がもたらす独特のふくよかな味わいや、少し尖った男性っぽい印象が特徴です。この「ワイルドターキー13年」にもそうした男っぽさが感じられますね。

白石:洗練された大人の男という印象でしょうか。ゆっくりと味わいたくなるバーボンですね。

小田:熟成年数の長いウイスキーは、すぐに飲み込まずにゆっくりと口の中で味わいながら飲むのがいいと言われます。余韻が長く、徐々に香味が変化していくのも長く熟成されたウイスキーの特徴。そうした複雑な香りや味の変化や余韻の長さをゆったりと時間をかけて味わうことも、プレミアムウイスキーならではの楽しみ方です。

人生そのもののような、バーボンウイスキー

グラスに注がれたバーボンウイスキーが、時間とともに複雑な変化を見せていく。

小田:ではここからは、さらにプレミアムな「マスターズキープ ボトルドインボンド」を試してみましょう。マスターズキープは毎年限定でリリースされるプレミアムなシリーズ。ボトル名になっている「ボトルドインボンド」とは、1897年に制定されたアメリカの古い法律であるボトルドインボンド法(Bottled-in-Bond Act)のこと。密造ウイスキーを取り締まるためにつくられたこの法律は、単一蒸溜所で同じ年、同じ季節に蒸溜されたウイスキー原酒のみを政府監督下の保税倉庫で最低4年間熟成し、最低50%のアルコール度数で瓶詰めしなければならないなど、現在の連邦アルコール法よりも厳しいものでした。いわば高品質なバーボンの証明であるそんなボトルドインボンド法に則って、特別につくられたのが今回の「マスターズキープ ボトルドインボンド」。しかもスコッチであれば30年以上の熟成にも匹敵するであろう、17年という超長期熟成の一本です。

白石:これもめちゃくちゃおいしいです。スイートで、余韻が「ワイルドターキー13年」よりさらに長くて。口の中にずっと残り続ける残り香のようなものも、いつも飲むウイスキーとはまったく違います。

普段からウイスキーはストレートで飲むという白石監督。プレミアムバーボンは今回が初体験となった。

小田:心地よいウッディなニュアンスがより強くて、その上にクローブやシナモンのような乾燥したスパイスや、カスタードクリームを思わせる甘い香りも。フルーティさが感じられる「ワイルドターキー13年」に対し、こちらは焦がしたお菓子やキャラメル、トフィーのような少しビターな甘さを感じます。人にたとえると、ラグジュアリーなバーで優雅に葉巻を吸っている大人の男性のようなイメージでしょうか。

白石:ウイスキーに合う音楽を集めた「ウイスキーブルース」というミックスリストがYouTubeにたくさんあって、僕は脚本を書く時に必ずそれを流しながら、一段落するたびにウイスキーを飲むんです。そうした日々のご褒美としては少し贅沢かもしれませんが、とにかくいい仕事をしてほっとひと息つきたいときには最高の一杯ですね。ウイスキーは“時間を楽しむ”お酒とも言われますが、この「マスターズキープ ボトルドインボンド」を飲むとまさにそれがよくわかります。こんなにおいしいウイスキーをどんな人たちがつくっているのかも知りたくなりますね。

「少量の水を加えるとより香りが開いてきますよ」と小田バーテンダー。

小田:現在のワイルドターキー蒸溜所では、バーボン界のレジェンドとして知られるジミー・ラッセルから息子のエディー・ラッセルがマスターディスティラーを継承し、ジミーの孫にあたるブルース・ラッセルとともにウイスキーづくりを行っています。僕も蒸溜所でお会いしましたが、とても温かい人たちで、ずっと守り続けてきたレシピや製法については、頑固に守り続けていくと仰っていました。

白石:ワイルドターキーのブランドサイトで、マシュー・マコノヒーがクリエイティブディレクターを務めたショートフィルムを観ました。ジミーさんをはじめラッセル家の人たちも登場されていましたね。映画人にもウイスキー好きは多くて、たとえばクリント・イーストウッド監督の作品などでは、よく印象的な場面でウイスキーが出てきます。『許されざる者』では冒頭にもラストシーンにもバーボンが登場しますし、『マディソン郡の橋』ではクリント・イーストウッド演じるロバートが、フランチェスカが残した日記を読みながら、彼女が歩んできた時間を噛みしめるようにバーボンを飲む。映画でもそうした印象に残るシーンで使われるお酒となると、ワインやビールではなく、ウイスキーになるように思いますね。

プレミアムバーボンを囲んで、盛り上がりを見せたウイスキー談議。
マンダリンバー 東京都中央区日本橋室町2-1-1 マンダリン オリエンタル 東京 37F TEL:0120-806-823
※2020年現在、通常の営業時はバーテンダーはマスクを着用。

小田:ワインは食べ物と一緒に楽しむけれど、ウイスキーはどちらかといえば時間や人と一緒に楽しむものですからね。

白石:映画の主人公のように、なにかを決断したり人生の苦味を味わったり……。そんな時に寄り添ってくれるお酒がバーボンウイスキー。この「マスターズキープ ボトルドインボンド」には深い甘みや苦味があって、まさに喜びや悲しみのある人生そのものようにも思えますね。

小田:飲み方はストレートもいいですが、ウッディな甘さがより強調されるロックもお薦めです。こういう味わいのバーボンがあるということを、この機会に多くの方に知ってほしい。このボトルに凝縮された大人の香味を、ぜひ味わっていただきたいですね。

マスターディスティラーのエディー・ラッセル。バーボンではアルコール度数80%以下の蒸溜が義務づけられるが、ワイルドターキーでは60〜65度と低めの度数で蒸溜。樽詰めやボトリングの際にも極力加水をせずに、原酒本来の香味を活かしたウイスキーづくりにこだわっている。
ワイルドターキー蒸溜所の伝統的な木造のオープンリック式ウエアハウス。最上階の7階と1階では温度などが大きく異なる。もちろん空調設備はなく、寒暖差の大きい自然のままの環境でダイナミックに原酒の熟成が進行する。

年に1度だけリリースされる、超プレミアムな一本。

左:世界で約3万本、日本では6,000本限定で発売される「ワイルドターキー マスターズキープ ボトルドインボンド」750ml アルコール度数50% ¥22,000(税込) 右:「ワイルドターキー13年」700ml アルコール度数45.5% ¥8,800(税込)/ともにCTスピリッツジャパン

代々のマスターディスティラーの頭の中にのみ存在するという秘伝のレシピでつくられるワイルドターキー。ケンタッキー州にある蒸溜所では、極力加水しないことにこだわるなど、効率よりも品質を徹底的に追求したウイスキーづくりの伝統が頑なに守られている。一般的なバーボンよりもライ麦の比率が高く、バニラのような甘い香味と心地よいスパイスのアクセント、そして上質なまろやかさがすべてのワイルドターキーに共通する特徴。

スパイスと麦の濃厚な甘み、フルーティさも纏った「ワイルドターキー13年」は、日本市場限定で販売される長熟のプレミアムバーボン。そして「マスターズキープ ボトルドインボンド」は17年熟成の原酒のみを使用した、世界で約3万本のみがリリースされる超プレミアムな一本だ。トーストしたオーク樽やアップルパイ、ダークチェリーを思わせるアロマに、タフィーのような甘く高貴なフレーバー。どこまでも続く長く魅惑的な余韻が楽しめる希少なプレミアムバーボンを、ぜひ自宅やバーで楽しんでもらいたい。

●CTスピリッツジャパン ワイルドターキー ブランドサイト
www.wildturkey.jp

映画監督・白石和彌とバーテンダー・小田健吾が語る、ワイルドターキーが唯一無二のバーボンである理由。

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  • 文:西田嘉孝

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