ロングセラーを生み出し続けた天才デザイナー、ジェラルド・ジェンタに迫る

  • 文:笠木恵司 イラスト:西田真魚

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初代ブレゲを筆頭に、時計界では多くの天才を輩出してきた。現代の時計技術やデザインを大きく飛躍させたカリスマたちを紹介する。今回は、数々の傑作を手がけた天才デザイナー、ジェラルド・ジェンタに注目。

老舗や名門とされる時計ブランドは、必ずといっていいほどアイコニックなロングセラーをもっている。そして、その多くをデザインしたのがジェラルド・ジェンタだ。1931年にスイス・ジュネーブでイタリア人の両親のもとに生まれ、15歳からジュエラーとして修業して23歳でデザイナーに転向。時計師ではないが、だからこそ独創的なモデルが誕生したといえよう。パテック フィリップの「ノーチラス」など、懐中時計では見られない立体的なベゼルまわりに特徴があるものといえば、時計好きならいくつかのモデルを想起できるはずだ。

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ジェラルド・ジェンタ
Gérald Genta (1931~2011)

1972年には自身のブランドを設立。後にブルガリグループの傘下となったが、ジャンピングアワーとレトログラードによる「ミッキーマウス」は、いまも伝説的な輝きを失っていない。2011年に80歳で逝去。

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パテック フィリップ「ノーチラス」。裏蓋と一体化したケースとベゼルをサイドの「耳」で噛み合わせることで防水性を向上した。

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※Pen2017年12/1号「腕時計100の物語」特集よりPen編集部が再編集した記事です。