大阪中之島に生まれた「本の森」は、安藤忠雄から子どもたちへの贈りもの。

文:山田泰巨

大阪の中心部を流れる堂島川と土佐堀川に挟まれた中之島公園に、子どもたちが本と出会い、本を楽しみ、本に学ぶ施設となる「こども本の森 中之島」がオープンした。建物を寄贈したのは、設計も手がけた建築家の安藤忠雄だ。 「本に囲まれた迷宮、本と巡り合う場所。何度も通いたくなる場所を目指しました」と安藤は施設のコンセプトを語る。5つの臓器を摘出するほどの大病を患った安藤は、療養時にふたたび本と親しむ時間をもつようになったことから、未来を創る子どもたちのために本と出会う場をつくりたいと考えるようになった。奇しくも近くにある大阪市中央公会堂は、かつて株式仲買人の岩本栄之助が建設費を寄付して生まれた建...

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