価格は約1億円! 代官山 T-SITEのモーニングクルーズで、噂の「GT-R50」が日本で初めてお披露目。

  • 写真:Pen編集部
  • 文:サトータケシ 

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「GT-R50 ITAL DESIGN」。日産ヨーロッパがデザインし、名門カロッツェリア、イタルデザインが製造販売するGT-R。価格は約1億円で、生産台数は50台を予定。すでにほぼ完売の状態だそうです。

代官山 T-SITEで行われている「モーニングクルーズ」には、「GT-R 50」をひと目見ようと多くのGT-Rオーナーが集結。朝8時にもかかわらず、ご覧のような状況に。

「CARS & COFFEE」という言葉を耳にしたことはありますか? これは世界で同時進行的に広まっている自動車のイベントです。イベントといっても敷居の高いものではなく、読んで字のごとく、休日の朝にクルマ好きがぶらっと集まり、コーヒー片手にクルマ談義に花を咲かせるというカジュアルなもの。だれでも気軽に参加できるところが、急速に広まっている理由でしょう。

日本でも同様の動きが見られます。首都圏に暮らすクルマ好きが楽しみにしているのが、毎月第2日曜日の朝に代官山 T-SITEで行われる「モーニングクルーズ」。「12気筒エンジンのフェラーリ」といったテーマが掲げられる回もあれば、ノンテーマの回もありますが、いずれも珍しいクルマや個性的なオーナーが集まり、クルマ好きの交流の場となっています。

9月23日(日)の朝、代官山 T-SITEの広々とした駐車場は、熱気で満ちていました。モーニングクルーズ「NISSAN GT-R50 by Italdesign」スペシャルが開催されたのです。今回のテーマは「GT-R(R35)」、つまり現行型のNISSANGT-Rで、スペシャルゲストとしてGT-R50周年を記念した「NISSANGT-R50 by Italdesign」が招かれたのです。

 会場がオープンすると、「NISSAN GT-R50 by Italdesign」の周囲にはたくさんの人が集まりました。イタルデザインは、デザインから設計、製造まで請け負うイタリアの自動車工房というべき存在。GT-Rと同じく、今年創設50周年を迎えました。

「NISSAN GT-R50 by Italdesign」とは、NISSAN GT-R NISMOをベースに、日産ヨーロッパのデザイナーが造形を統括しつつ、開発と設計、製造をイタルデザインが担当して生産される特別なモデル。英国のエンスージアストの祭典、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでお披露目された時には、その美しさが大反響を呼びました。

 専用設計のLEDヘッドランプ、各部でアクセントとなっているゴールドの空力パーツ、大きな可変式リアウィングなど、美とスピードが融合した佇まいに見とれていると、あっという間に時間が経過します。ちなみ50台の限定生産ですが、約90万ユーロ(約9190万円)からという価格にもかかわらず、すべてオーナーが決まっているとのことでした。

走るだけでなく、クルマについて語るという楽しみ。

左から:ハコスカ、R32、R33、R35の歴代GT-Rも集合。どのクルマもパワフルに美しくチューニングされています。

テーマ車「R35」だけでなく、多くのGT-Rが参加。「クルマについて語るという楽しみ」もモーニングクルーズの目的です。

ほかにも、1972年型日産スカイラインGT-Rや、1995年型NISMO GT-R LMといった貴重なモデルも展示され、この機会を逃すまいと多くの方がカメラのレンズを向けていました。

興味深いのは、日産自動車が手伝ったのは車両の用意と搬入だけで、その他は自主的に運営されていたということです。自動車メーカーが宣伝のために開催するイベントではなく、あくまでクルマ好きのために「モーニングクルーズ」が開催されているのです。

このあたり、日本でもクルマの歴史やデザインを語って楽しむ、自動車文化が醸成されているように感じました。なお、「NISSAN GT-R50 by Italdesign」は10月中旬から下旬にかけて、銀座の「NISSAN CROSSING」でも展示されるとのこと。見逃した方は、お出かけになってみてはいかがでしょうか。