デジタルで、大切な植物と愛を育む方法。
家電コンシェルジュ
concierge 神原サリー Sally Kamihara
新聞社勤務を経て「家電コンシェルジュ」として独立。豊富な知識と積極的な取材をもとに、独自の視点で情報を発信している。2015年2月、表参道に「家電アトリエ」を開設。テレビ出演や執筆、コンサルティングなど幅広く活躍中。

青野 豊・写真
photographs by Yutaka Aono
パロット ポット
Parrot Pot〈多機能プランター〉

デジタルで、大切な植物と愛を育む方法。

iOSとアンドロイド向けに配布されている無料のアプリで、簡単に設定できる。¥18,360

これまで何度もグリーンを枯らしてしまい、植物に苦手意識をもっている人や、出張や旅行で家を留守がちな人でも安心して育てられる〝夢の植木鉢〞がフランスからやって来た。その名は「パロット ポット」。

なんと、植物の種類や土壌の水分の残量に応じて最適なタイミングで自動で水やりをしてくれるシステムが搭載されている。一見すると、直径約20㎝、高さ約31㎝ほどの大きめの植木鉢にしか見えないが、本体は土を入れる内側のポットと外壁との間に2.2Lの給水タンクをもつ、二重構造になっている。ポットの上部には4つの穴が開いていて、まるで小さなジョウロがそこにあるかのように優しく水が噴き出すのには、感動すら覚える。

4つのビルトインセンサーを備えており、植物が必要とする条件の「日当たり」「肥料レベル」「温度」「土壌湿度」をリアルタイムで検知。肥料をやるタイミングや日当たりのいい位置に移動させるべきかどうかなど注意喚起やアドバイスを行うシステムが組み込まれている。水も肥料も足りなくて枯らしてしまうというのは存外少ないそうで、与え過ぎて根腐れを起こしたり、土壌のバランスを崩したりすることがほとんどだという。だからこそ「いまだ!」というタイミングでお任せで水やりをしてくれ、「そろそろ肥料をどうぞ」というアラートがくるのは便利だ。

現在、専用アプリ「Parrot Flower Power」で対応する植物の種類は、観葉植物から果樹のほか、育てるのが難しいといわれている胡蝶蘭などの高価な植物やハーブまで8000種類以上におよぶ。たとえば、トマトだけでも亜種を含めて83種、チェリートマトが26種という充実ぶりだ。設定時に植物を選択するだけでなく、室内に置くのか、ベランダなどの屋外に置くのかという環境についても指定できるため、安心して任せられる。位置情報と植物を置く場所に応じて、お薦めの植物を提案してくれる機能も楽しい。

インターネットでクラウドとつながる「IoT家電」が注目され始めて数年経つが、スマートフォンで操作できるだけだったり、省エネのためのシステムばかりが登場していた時期を超えて、ようやく暮らしを楽しく豊かにするためのものへとたどり着いたようでうれしい。

レンガのような落ち着いたレッド、磁器のような透明感のあるホワイト、マットなブラックと、本体のカラーは3種類ラインアップしている。育てる植物やインテリアに合わせて選ぶのがいいだろう。

実は私も、既にポースリンホワイトのポットを手配済み。レモンまたは柚子の果樹を育て、見事に実がなったら、それを使ってフルーツビネガーをつくる。そんな計画を練るだけでも心が躍る。

デジタルで、大切な植物と愛を育む方法。

気候条件や植物の生育状況なども考慮しつつ、鉢の縁にさりげなく設けられた穴から自動的に水が放出される。

※Pen本誌より転載
デジタルで、大切な植物と愛を育む方法。