腕時計ほど愛着や思いを込められる身近な機械は他にありません。人生を一緒に歩んでいくパートナーでもあるのですが、記憶や歴史を経年変化(エイジング)という目に見える形で残してくれるのが、ブロンズのケースです。持ち主の環境や使い方によって、同じモデルでもそれぞれ固有の外観に変貌していきます。鈍い銅色のヴィンテージな雰囲気も人気となって、近年はブロンズケースの新作が目立つようになってきました。
パネライは2010年に「サブマーシブル」でブロンズケースを先駆けて採用。限定だったこともあり、伝説的なモデルとなりました。ちなみに「サブマーシブル」は、1956年にエジプト海軍のために開発されたプロフェッショナル・ダイバーズをルーツとするコレクション。「ルミノール」や「ラジオミール」にはない大型の回転ベゼル(逆回転防止機構付き)が際立った特長です。
このブロンズモデルが今年になって復活しただけでなく、セラミック製ベゼルを備えた新しいスタイルの「サブマーシブル ブロンゾ」として登場。限定ではなく定番コレクションとして追加されました。
パネライのブロンズは、銅に純粋な錫(すず)を加えた合金を採用。海水などによる腐食に強く、構造も強固な一方で、銅特有の暖かな色合いを維持しながら、しだいに古びた趣を醸し出していきます。潜水時間などを計測できる大型の回転ベゼルは、傷がつきにくいセラミックをブラスト仕上げ。こちらはブロンズのような経年変化はなく、艶なしのマットなブラウンカラーが、重厚感のある銅色のブロンズケースにマッチ。ブラウンのダイヤルに、厚手のナチュラルレザーストラップの組み合わせも精悍な印象。海中での活動にふさわしいミリタリーグリーンのラバーストラップが付属しているのも魅力です。
ダイヤルのドット・インデックスや針には蓄光式蛍光を塗布しており、暗闇でも抜群の視認性を発揮します。ムーブメントは3日間のロングパワーを備えた自社製キャリバー「P.9010」。軍用のダイバーズウォッチをルーツとしているだけに、どこまでも頑丈で強靱かつ実用性にも優れており、直径47㎜の堂々たるラージケースの存在感にも圧倒されます。そんなモデルが時を重ねることで、ケースのブロンズが独自の風合いに変わっていきます。まさに人生における唯一無二の「相棒」として、末永く愛用していきたいモデルではないでしょうか。
問い合わせ先/オフィチーネ パネライ
TEL:0120-18-7110