叢・小田康平さんが提案する、植物との暮らし。
写真:永井泰史 文:佐藤千紗

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個性的な植物とさまざまな器の組み合わせの妙を楽しめます。¥19,440から、幅広い価格帯で販売。

きれいに整った部屋……だけどそこになにか物足りなさを感じた時、植物を加えてみると部屋に生き生きとした気配が漂いはじめます。けれども、まめに世話できるかわからないとためらう人も多いのではないでしょうか。 今回は個性豊かな姿かたちに心動かされ、同じ空間にいると気になって日々眺めてしまうような植物を紹介します。

傷がついていたり、途中で枯れかかったり、それでも生き抜いてきたたくましい多肉植物やサボテンたち。そうした個性ある植物を、その魅力を引き立てる器とともに提案するのが、「叢(くさむら)」の小田康平さんです。小田さんは陶芸家がつくる器を鉢に用いた提案も多く、現在は陶芸家の寒川義雄さんとコラボレーションした展示会『叢 - 器を纏う - 』をシボネ青山にて開催中です。

植物の個性に美しさを見出し、絶妙な鉢合わせで提案する小田康平さん。植物愛溢れる語り口も魅力的。

「吹雪柱」は茶枯れた肌と新芽とのコントラストに注目。白磁無釉のシンプルな器を合わせました。

今回は、仏花器や弥生時代の土器など古い焼きものを思わせるエッジの効いた鉢を多く揃えています。

小田さんのリクエストで、寒川さんは風合いある荒土を使った手捻りの器も追加したといいます。

仕立ての針金が残ったサボテン。個性的な植物が形も色合いもさまざまな器という服を着ているよう。

同じ広島を拠点にする小田さんと寒川さん。以前から花器も制作し、自身でも花を活ける寒川さんが、小田さんのアーティスティックな新しい植物の提案に興味をもったことから、2人のコラボレーションはスタートしました。植物と鉢とのコーディネートに定評のある叢ですが、「普段、僕の意識のなかで鉢のウェイトは1%くらい。植物の足を引っ張らない色やかたちの植木鉢を探してきます。それが陶芸家とコラボレーションするときは植物と鉢のバランスは50:50くらいになる」と小田さんは言います。

今回は寒川さんの鋭利で繊細な器に対し、トゲが特徴的なサボテンを多く選んだとのこと。マットなテクスチャーの器が、乾いた地域を原産とするサボテンの背景を引き立てます。またシャープでモダンなフォルムで植物たちの豊かな個性はさらに高まり、それぞれが自らのキャラクターを主張しはじめるかのようです。

そんな植物たちを眺めながら寒川さんは、「植物と鉢の組み合わせは、料理の盛りつけに近いのかも。自分の器が別の表情になるのがおもしろい」と小田さんのセレクトには抜群の信頼を寄せます。今回の鉢合わせはすべて小田さんによるもの。多種多様な器で、植物の魅力をより強く引き出していきます。たとえば、表皮が枯れて色が抜けた株元に見どころがある個体には口が広がった器を合わせて、見どころとなる背景をつくります。また、丈のある植物には高さがある鉢を合わせることでバランスを見ます。

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