静寂の寝室に投影される、100万の星々。
家電コンシェルジュ
concierge 神原サリー Sally Kamihara
新聞社勤務を経て「家電コンシェルジュ」として独立し、豊富な知識と積極的な取材をもとに、独自の視点で情報を発信。2015年2月、表参道に「家電アトリエ」を開設。テレビ出演や執筆、コンサルティングなど幅広く活躍中。

青野 豊・写真
photographs by Yutaka Aono
メガスター・クラス
MEGASTAR CLASS〈 家庭用プラネタリウム〉

静寂の寝室に投影される、100万の星々。

W19×H24㎝、重量4㎏という小型化に成功。¥1,404,000 ※コントローラーは有線接続

プラネタリウム・クリエイターの大平貴之氏が生んだ、スーパープラネタリウム「メガスター」シリーズ初の家庭用超小型タイプ「メガスター・クラス」が誕生した。パーソナルな場所で、自分のペースで降るような満天の星を体感してほしいという思いから生まれた製品だ。 

CLASSの名称は、COMPACT(小型)、LIGHT(軽量)、ACCURATE(精密)、SIMPLE(簡単)、SILENT(静音)の5つのキーワードの頭文字から取ったもので、本製品の特徴をそのまま表現している。本体重量は4㎏と軽くて持ち運びができ、大きな科学館で投影されているのと同様に180度の全方向に100万個の星をつくり出すことを可能にしている。冷却ファンを排除し、熱をうまく筐きょうたい体の金属部に逃がす自然冷却方式を採用しているが、この静音設計にいたるまでにはエンジニアを大いに悩ませたようだ。だがその甲斐あって、寝室で使っても気にならないほどの静かさを実現させている。実際の時間と連動した星の動きをそのまま投影するように設定して眠りにつけば、夜中に目覚めた際に星が動いているのを感じられ、明けの明星を見て朝が来ることを知ることもできる。 

大平氏は言う。「星空のある生活空間を再現することによって、眠りにくくなってしまった現代人に、人間が本来もっているはずの生活のリズムを取り戻してほしい。メガスター・クラスにはその力がある」と。地球の自転による約24時間の周期に合わせて、身体の基本的な働きを変化させている「サーカディアンリズム」の乱れから不眠などの不調を感じている人が増えている。そんな人たちにとって、星の下で眠る幸せを体感できるメガスター・クラスの存在価値は大きいだろう。 

見慣れたはずのいつもの空間を遮光し、部屋の中央に置いたメガスター・クラスのスイッチを入れる。やがて部屋全体に広がる100万個の星たち――天の川までを超微細な星粒の集合体で映し出しているのだ――に息をのむ。幼い日に見た星空よりも、もっともっと多い星。宇宙飛行士だった毛利衛氏が「宇宙で見た星空に最も近い」と言ったという話にも納得がいく。 

艶やかで丸みを帯びた本体のデザインもシンプルで美しい。ふたつのプッシュダイヤルを備えたコントローラーで、直感的に操作ができるのもパーソナルユースとしてはうれしい。今後、スマートフォンやタブレット端末からの操作も可能になるようなので楽しみだ。日頃、過剰なまでの情報にあふれ、ストレスを抱えて生きる私たちに〝なにも考えない時間〞を与えてくれる夢の箱。一度体感したら、虜になることだろう。

静寂の寝室に投影される、100万の星々。

ドーム状ではない通常の部屋でも、驚くほど鮮明に星空を再現する。壁や天井が白ければ白いほど鮮明になる。

※Pen本誌より転載
静寂の寝室に投影される、100万の星々。