スーパーカーのイメージを覆す快適性と利便性、「マクラーレン GT」の新機軸とは?

  • 文:大嶋慧子

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長距離のドライブを快適に、そして走る喜びを感じさせてくれる「マクラーレン GT」。まさにラグジュアリーでハイパフォーマンスな新機軸のスーパーカーだ。

6月20日、マクラーレン・オートモーティブは東京・原宿の商業施設jing(ジング)で、スポーツカーの俊敏性とグランドツアラー(GT)の快適性を併せもつ、新型スーパーカー「マクラーレン GT」の発表イベントを行ないました。

マクラーレンというと誰もが真っ先に思い浮かべるのは「F1」。そして私たちがそこに求めるものは、スピードとステイタスです。快適さという要素を追求するのなら、違うクルマでもいいはず。しかし今回発表されたマクラーレン GTは、同ブランドの血統を受け継ぎつつ、快適性や利便性を重視するというこれまでになかった新機軸を打ち出しました。

このマクラーレン GTを前にすると、まずその美しいスタイリングに目を奪われます。流れるようなボディラインは、まさにエレガントのひと言。白を基調とした内装にも上質なレザーやファブリックがふんだんに使われ、どちらかと言うと女性好みと思わせるほどのスタイリッシュさでした。しかし最も注目すべきは、ドライバーと一体感を得るべきグランドツアラーとしての快適な操作性です。それはこれまでにないほど超軽量化された車体によるもの。カーボンモノコック製ボディの重量は1530kgで、競合他社のモデルより約200 kgも軽いとのこと。アルミ加工を施したスイッチやその他の細かいパーツに至るまで、徹底的に軽量化が図られています。

またマクラーレン GTは、日常での使い勝手を考慮した実用的なクルマだということも忘れてはなりません。これは同ブランドの新しい顔と言えます。日本支社代表の正本嘉宏さんによると、スーパーカーは路面のバンプや段差を乗り越える時などに気を使いますが、このマクラーレン GTはそのために車高を110mm高く設定。またゴルフや週末の小旅行にも対応できる収納力をもっているそうです。確かにスーパーカーに収納力を求めるのは、お門違いというもの。しかしこのマクラーレン GTは、リアのエンジンルーム上部に420ℓ、ミッドシップの特性を活かしてフロントボンネットの下にも150ℓの荷室を備えています。それは発表会でもパフォーマンスされた通り、大きめの鞄4個とゴルフバッグが悠々と入る容量。今回来日したチーフデザイナーのゴラン・オズボルトは、「スーパーカーとして最大級の荷室」と語っていました。

他にも車内ノイズの最小化や、カーボンファイバー構造から発生する低周波音の制御など、長時間のドライブも疲れず、街中も快適に乗り回せる機能が満載されたマクラーレン GT。伝統のドライビングダイナミクスを継承しつつ、これまでのイメージをいい意味で覆す、マクラーレン史上最も洗練された一台と言えるのではないでしょうか。納車予定は10月以降で、日本でも受注を行っています。

発表イベントにはマクラーレン・オートモーティブの日本支社代表を務める正本嘉宏さん(左)と、来日したチーフデザイナーのゴラン・オズボルト(右)が登壇した。

スタイリッシュなリアビュー。0-100km/h加速は3.2秒、最高時速326kmというスーパーカーのパフォーマンスと、グランドツアラーとしての快適性を両立させている。

上質なレザーやファブリックを用い、白を基調とした内装はラグジュアリーそのもの。4人乗りではなく、あえて2シーターにしたところもこのモデルの特徴だ。

ミッドシップの特性を活かし、フロントのボンネット下にも容量150ℓの収納スペースを配置。リアのトランクルームと合わせると総容量は570 ℓにもなる。

マクラーレン GT

●サイズ(全長×全幅×全高):4683×2045×1213mm
●エンジン形式:V型8気筒DOHCツインターボ
●排気量:3994cc
●最高出力:620PS/7500rpm
●駆動方式:MR(ミッドシップエンジン後輪駆動)
●車両価格:¥26,450,000(税込)

問い合わせ先/マクラーレン・オートモーティブ
https://jp.cars.mclaren.com