AIスピーカーで、会話のさらなる革新はなるか?
家電コンシェルジュ
concierge 麻倉怜士 Reiji Asakura
デジタルメディア評論家。1950年生まれ。デジタルシーン全般の動向を常に見据えている。巧みな感性評価にファンも多い。近著に『高音質保証!麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)がある。

青野 豊・写真
photographs by Yutaka Aono
ライン クローバ ウェーブ
LINE Clova WAVE〈AIスピーカー〉

AIスピーカーで、会話のさらなる革新はなるか?

LINEをすべて音声でやりとりできるなど、コミュニケーションに強い。¥12,800(税込、2018年1/31までの限定価格)

スマートスピーカーが続々と登場している。スマホがもつ音声入出力機能を高度化したアクティブ・スピーカーだ。これまでスピーカーの役割は、単純に音楽や映画、テレビの音を再生することだったが、スマートスピーカーは主人の声を聞き、内容に応じたリアクションを音で発する。内蔵マイクで聞き取った声データをクラウドに送り、指示を分析し、しかるべきデータを集めて処理し、スピーカーにネット経由で送り返し、回答するのだ。技術的には音声聞き取り、解析と合成、発声能力の飛躍的進歩が、聞き取ってしゃべるスピーカーの実現を可能にした。

スマホでも同じことはできるが、その操作には、アプリを立ち上げ、文字や文章を入力し、ディスプレイで視る……というプロセスが必要だ。声入出力もできるが、腕でスマホをホールドしなければならない。スマートスピーカー使いの本質は、「〜ながら」だ。2〜3ⅿも離れたところからでも、何でも訊ける。何より便利なのは、忙しい朝に、天気予報が知りたい場面。スマホで調べるのが億劫という時に「今日の天気、教えて」と喋ると、「今日は晴れ、予想最高気温は16℃、最低気温は11℃」などと、すぐに教えてくれる。

そもそも数年前にアマゾン、次にグーグルが加わり、アップルやマイクロソフトも参入の機会を窺っている。というように本分野はアメリカ勢が主導権を握っているが、ひとり日本製として気を吐いているのがLINEの「クローバ ウェーブ(Clova WAVE)」だ。スマートスピーカーで面白いのは、プラットフォームによって特徴があること。アマゾン・エコーはアマゾンだけあってショッピングに強く、グーグルホームは検索に強い。ではクローバ ウェーブはどうか。

検索、天気予報、ニュース、スケジュールの読み上げ、音楽再生、対応家電のリモコン制御というスマートスピーカーでの一般的な機能に加え、やはりLINEといえば短文コミュニケーション。同社が開発したAIアシスタントClovaがもっとも得意にするのが、「声のLINE」だ。メッセージをクローバ ウェーブに向かって喋れば、LINEの相手のクローバ ウェーブが声でその言葉を発する(逆も可)という相互のやりとりが可能だ。

「音声コミュニケーションに加え、スタンプなどアジア特有の文化に強いことも特徴です」と、担当者は胸を張る。完成したてのクローバ ウェーブを試した。音声認識や検索などでいまひとつのもどかしさを感じたが、日本語の発音は日本製だけあって比較的滑らかだ。AIは経験を積めば積むほど賢くなる。タクシー配車、電車運行情報……などメニューも日に日に増えている。今後の発展に大いに期待だ。

AIスピーカーで、会話のさらなる革新はなるか?

「○○(曲名)をかけて」と言うと、LINE MUSIC(4000万曲以上収録)から検索して再生してくれる。

※Pen本誌より転載
AIスピーカーで、会話のさらなる革新はなるか?