美味しいごはんは、南部鉄器の釜で炊け! 釜浅商店「ごはん釜」で、自分好みの炊きあがりを楽しもう。

  • 文:和田達彦

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7月1日から発売された釜浅商店の「釜浅のごはん釜 3合炊」¥27,000(税込)。釜本体のサイズは直径21(つば外径26cm)×高さ9.5cm。重量は蓋を含めて3.1kg。浅く丸い形状の鉄釜は、短時間で均等に熱が行き渡るので、炊きムラのない美味しいごはんができます。

私達日本人の、主食である米に対するこだわりには並々ならぬものがあります。家電メーカーは各社こぞってさまざまな趣向を凝らした炊飯器を発売し、最高の炊き上がりをうたいます。一方で、ごはんは土鍋や鉄釜を使う昔ながらの炊き方に限る、という人も。一見、火加減などが難しそうですが、やってみると案外簡単で、しかも美味しく炊けるので、土鍋や鉄釜を使った炊飯が近年見直されています。土鍋ごはんや鉄釜ごはんを愛する人にとって、さらに魅力的な製品が登場しました。

「釜浅のごはん釜 3合炊」は、東京は浅草、合羽橋の料理道具屋、釜浅商店が手がけたごはん専用鉄釜。明治41(1908)年創業の釜浅商店は、昨年フランス・パリに店舗をオープンするなど、世界からも注目されている老舗です。同店の人気アイテムのひとつに南部鉄器製のうどん釜があり、これとスプルス材の釜蓋を組み合わせた「釜浅の南部鉄ご飯炊きセット」が販売されていましたが、今回のごはん釜はこれをベースにごはん炊き専用に改良したもの。鉄製の釜は、高温に達する時間が早く、蓄熱性も高いので、釜の中を長く一定温度に保つことができます。従って炊きムラが出にくく、ごはんを美味しく炊き上げられるわけですが、釜浅のごはん釜は、浅く丸い形状をしているので、より均等に素早く熱を行き渡らせることができます。その釜の内側には、南部鉄瓶の「釜焼き」という製造技術が施されています。900℃以上の高温で焼き付けて磁性酸化被膜をつくることで錆にくくなり、無塗装なので長く使っても塗装が剥がれる心配はありません。この釜焼きの技術を使ってご飯釜を作成したのは、日本初となります。また釜蓋にはスプルス材に替えて、おひつなどによく使用されている木曽産のサワラ材を採用。吸湿性、保湿性が高く、無駄な蒸気を吸収してくれるので、ごはんがべちゃべちゃしにくくなります。ヒノキなどに比べて香りが控えめなのも嬉しいポイントです。

『鉄のよさを引き出し、美味しくごはんを炊く釜』をコンセプトに、3年の開発期間を経て生まれたというこのごはん釜。ガスコンロはもちろん、IHコンロでも使用可能。ごはん党の方は、ぜひこの釜で旨いメシを堪能してみてはいかがでしょう。

研いだ米を十分に浸水させてから水を切り、釜に米および米と同じ重さの水を入れて蓋をします。弱火で約7分、その後強火にして、沸騰したら弱火に戻して約10分後に火を止める。約10分蒸らしたら炊き上がり。これを目安に、好みに応じて水の量や時間を微調整しましょう。つばの部分には吹きこぼれを防ぐ返しが付いています。

蓋の裏側には、密閉性を高めるために釜本体に合わせた溝が切ってあります。また蓋の接合部には、家具や建物で古くから用いられている「雇い核継ぎ(やといざねつぎ)」加工を施すことで、強度が高められています。

熱が全体に均一に行き渡るため、ムラがなく、米の一粒ひと粒がシャッキリ&ふっくら炊き上がる。そのまま食べてももちろん旨いが、寿司シャリやおにぎりとの相性もいい。

●釜浅商店 TEL:03-3841-9355
www.kama-asa.co.jp