器のなかに表現された“晴空と夜空”に息を呑む! 「今泉 毅 陶展-青瓷と天目-」に注目です。

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    今泉 毅《窯変天目径》12.3×高さ7.1㎝

    4月15日から23日までの8日間にわたり、「今泉 毅 陶展-青瓷と天目-」が開催されます。会場は、田園調布駅からすぐの場所に佇む「器・ギャラリー たち花」。陶芸家・今泉 毅さんにとって、十年来のお付き合いがある特別な場所です。

    陶芸家として駆け出しの頃と、制作への情熱は変わりませんが、黒釉、白瓷、青瓷、瑠璃釉など、多彩な技法にチャレンジしてきた今泉さん。そのなかで、今回の個展のタイトルに掲げる青瓷と天目は、今泉 毅さんを語るうえで欠かせないものとなっています。自身曰く、「青瓷は晴空、天目は夜空」。土と釉の積層の仕事によって、手にとれる大きさの器のなかに空が生み出されるのです。鉄の窯変性、釉としての天目、形としての天目を考察しながら現代性を持つ天目を目指しています。

    「青瓷も天目も、古典中の古典ですし、膨大な陶史の積層の大きな塊のようなもの。多くの作家が手がけていますが、だからこそ、どこを発掘してどう解釈するか?が問い問われるのかが重要だと考えています。自分の自信を持った解釈として、陶の可能性として、青瓷や天目を提示できればいいなと願います。作品だ作品だと気張らずに、一碗、一盃、一花入、一皿、一鉢に、そう乗せられたらと……」と、語る今泉 毅さん。

    その言葉の通り、凛とした芸術品でありながら、手にとって触れてみたいという衝動に駆られる不思議な感覚も、今泉さんならではの魅力なのです。青瓷と天目による二つの空を、ぜひ実際に手に取って生でご覧になってみてください。

    会場には、青瓷と天目を中心に、茶碗、酒器、花入、食器などおよそ100品が勢揃い。開催期間中、4月15日~17日、23日の4日間は、今泉さんも在郎予定。ぜひギャラリーを訪れ、惹かれる作品を見つけてみてください。(外川 ゆい)

    右から《氷裂文花瓶》、《氷裂文花瓶》、《翠青瓷茶碗》、《白磁瓶》、《青瓷茶碗》、《翠青瓷筒花器》

    今泉 毅 陶展-青瓷と天目-

    開催期間:2016年4月15日~23日
    (作家在廊日4月15日~17日、23日)
    開館時間:11時~19時(最終日は17時まで)
    開催場所:器・ギャラリー たち花
    東京都大田区田園調布2-42-18
    TEL:03-5483-8286
    会期中無休
    入場料無料
    http://tojiki-tachibana.com/


    今泉毅 Takeshi Imaizumi

    1978年、埼玉県日高市生まれ。2002年、早稲田大学政経学部卒業。
    朝日陶芸展入選 (以後'03、'04)。2004年、MINO CERAMICS NOW 2004出品 (岐阜県現代陶芸美術館)。2007年、Cheongju International Craft Biennale特別賞。2008年、台湾世界陶磁ビエンナーレ入選。2009年、日本陶芸展 大賞・桂宮賜杯、韓国京畿道世界陶磁ビエンナーレ 銅賞、神戸ビエンナーレ 現代陶芸コンペティション奨励賞。2010年、現代工芸への視線 -茶事をめぐって- 出品 (東京国立近代美術館工芸館)。2011年、第57回ファエンツア国際陶芸展。
    2005年より、埼玉県日高市に工房を構えて制作に励み、全国各地にて個展を開催する。