スタイルに合わせ機能が切り替わる、「どこでも冷蔵庫」

  • 文:神原サリー

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青野 豊・写真photographs by Yutaka Aono

スタイルに合わせ機能が切り替わる、「どこでも冷蔵庫」

寝室やリビングにも合うよう、ミニマルなデザインに。134L(AQF-GS13G)。実勢価格¥59,140

いまはキャニスター掃除機とコードレススティック、もしくはロボット掃除機とスティックというように、掃除機の2台持ちが当たり前になり、用途によって特化させた掃除機を使い分ける人も増えている。ならば、冷蔵庫も2台あっていいのではないか。置き場所もキッチンだけとは限らない。

ずっとそう考えていたのだが、ついにアクアから、思っていた通りの冷蔵庫が登場した。キッチン以外に置くことを想定したスタイリッシュなデザインで、その名も「クールキャビネット」。リビングやダイニング、寝室に置くことを考え、家具をイメージしてデザインしたという。扉と天面にはガラス素材を採用し、すっきりとしたスクエアなフォルムが美しい。リビングのソファの脇や、寝室の隅にもしっくりと馴染む。

クールキャビネットの素晴らしさは、さらにもうひとひねりしているところにある。冷凍・チルド・冷蔵と3つのモードから温度帯を選べる機能を備えているのだ。先に、家具のような冷蔵庫だと紹介したが、アクアでは「ファン式冷凍庫」と表現している。前開きフリーザーとしては日本初の3モードセレクト機能を備えた、画期的な一台というわけだ。

キッチンのメインの冷蔵庫の横に置いて、冷凍食品のストック用として使う場合は「冷凍モード」に。寝室に置いてくつろぎの時間を過ごすときのために使うなら「冷蔵モード」にしておいて、飲み物や果物、おつまみを入れておく。パーティ用に使うなら「チルド」にしておいて、飲み物もケーキも冷製スープもしっかりと強めに冷やしておけば、テーブルに出してからも温度が上がりにくい。チーズやオードブルなどを入れておくのにも便利だ。

ダイニングに置くなら、冷蔵モードにして、牛乳やビール、ジュースなどのほか、ドレッシングなど食卓で使う調味料を入れておけばいい。キッチンとダイニングの間を何往復もしなくてすみ、家族がお手伝いするきっかけにもなるだろう。

冷凍庫として使う場合には、まとめ買いした肉や魚などを最上段のアルミトレイを使って急速冷凍し、下段の引き出し式のバスケットに整理しておくと使いやすい。扉を開けると上部に設けられたLEDライトが食材を明るく照らすので、庫内全体も見やすくなっている。モード切り替えは扉を閉めたままでできるので、設定作業時に庫内の温度が上がらないのもいい。

いままで冷蔵庫がなかった場所に、いろいろな温度帯に変化する「クールキャビネット」がやって来ただけで、パーティがしたくなったり、寝室で映画鑑賞をしたくなったり……とライフスタイルが変化するかもしれない。この新しい提案を、拍手で迎え入れたい。

冷凍・チルド・冷蔵の3つのモードで温度帯を選べる。用途に応じて、機能をワンタッチで切り替えられる。

神原サリー
新聞社勤務を経て「家電コンシェルジュ」として独立。豊富な知識と積極的な取材をもとに、独自の視点で情報を発信している。2016年、広尾に「家電アトリエ」を開設。テレビ出演や執筆、コンサルティングなど幅広く活躍中。
※Pen本誌より転載