アウェイに行くなら白のユニフォームが外せない⁉サッカー...

東京車日記いっそこのままクルマれたい!

第85回 MASERATI GHIBLI / マセラティ 570S ギブリ

アウェイに行くなら白のユニフォームが外せない⁉サッカーファンが乗るべき、マセラティ ギブリとは。

構成・文:青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

擦れ違いざまにハッとさせられる、ギブリのオーラに注目。

先日、ダンヒルのスーツに身を包んだサッカー日本代表選手たちを目の当たりにした。想像はしてたけど、めちゃくちゃ「カッコいいな」と感心したんだ。アスリートはいまを戦う職業だけど、スーツを着ることで相手やその場へのリスペクトを表せる慎み深さが、騎士道に通じるんだろうね。
それもあって無性にマセラティに乗りたくなった。特に4ドアセダンのギブリにね。母国であるイタリアのサッカー代表選手のスーツ姿は、とにかくスタイリッシュで有名なんだけど、横には断然「マセラティを置いてみたい」って思っていたからなんだ。
マセラティのギブリって2年前に大きなアップデートはあったものの、6年前のクルマですよ。でも未だに目黒通りあたりで擦れ違うと、独特のオーラにグッとくる。1966年に発表されたジョルジェット・ジウジアーロのデザインによるオリジナルは、直線的でアヴァンギャルドなスタイルが特徴のファストバッククーペ。
片や3代目となる現行のギブリは、ボディの丸みとクラシカルな曲線が優美なんだ。実際は見た目より大きなクルマなんだけど、ノーズの長さを強調したデザインに4ドアを与えた全体の構成がよくまとまっていて、ぱっと見は小振りで瀟洒なクーペに見えるのがミソ。現行車の中ではいちばんスタイルにこだわったセダンだと思うね。
走っていても、バックミラーに映る後席のドアノブやホイールハウスの優雅なプロポーションは、オーナーの所有感を高める。そんな「俺のクルマ感」がとりわけ強いから、傍目にも「どんな人が運転してるんだろう?」って気にさせられるんだよね。

クラシカルで洗練された、マセラティの入門モデル

実際に走ってみると街乗りにうってつけで、硬すぎもやわらかすぎもしない足まわりと軽快な乗り心地は快適。このギブリがエントリーモデルで1 0 0 0万円を切ることを考えるとバーゲン価格ですよ。普通に走って十分に速いし、フェラーリ製のV6エンジンを積んでるわりには控えめな音といい、運転が好きでもガツガツ走らない向きにぴったり。同じグループのアルファ ロメオのジュリア クアドリフォリオが、やはりフェラーリゆかりのV6エンジンで価格が1100万円を超えることを考えると、「なんてよく出来た子!」って愛おしくなるよね(笑)。

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