軽いチタンの45mmか、史上初のミニマルさが光る38mmか。

  • 文:並木浩一
  • 写真:宇田川 淳

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両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川 淳

軽いチタンの45mmか、史上初のミニマルさが光る38mmか。

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PANERAI
パネライ

「ルミノール」に男たちが熱い視線を送り始めて、もうどれだけになるだろう。その腕時計がいま、新しい視点でまた注目を集めている。そもそもパネライのフラッグシップとして、圧倒的な存在感を誇示してきた存在だ。その大きさと厚さは、熱狂的な支持層をつくりあげた。重さも、装着の実感として満足感に結び付いていた。それが「ルミノールドゥエ」というカテゴリーを得て以降、変わった。「45mmながら軽い、チタンのルミノールドゥエ」と「史上初、38mmのルミノールドゥエ」という、両義的で両極端な魅力の2モデルが、事態を象徴する。
「ルミノールドゥエスリーデイズオートマティックチタニオ 45mm」は、どんな時計よりも目立つほど、十分に大きい。夜光のサンドイッチダイヤルを流行のブルーに設えたモデルは、その一本だけで持ち主を印象付け、決して忘れられない存在にさせるアイテムである。それでいて、スチールよりも40%軽いマテリアルであるチタンを採用し、想像以上に軽やかな装着感だ。しかもシースルーバック仕様をとっており、オフセンターのローターを備えたムーブメントを観る楽しみも加わっている。もはや不動の古典であるルミノールの美点が、現代的に先鋭化していると言えるだろう。
一方で、同じルミノールドゥエスリーデイズオートマティックには「アッチャイオ 38mm」がある。登場時のセンセーションはいまも続く。特徴的なリューズプロテクターを装備する不動のフォルムはそのままに、史上最小サイズに。手首の細さや性別等のフィジカルな理由から購入に踏み切れなかった人々に、“壁”を取り払ったモデルだ。白文字盤に鮮やかなインデックスは、フレッシュな色のストラップがよく似合う。
大きいほうか、小さいほうか? 悩めば悩むほど秀逸なデザインだと再認識するのである。

  • ルミノール ドゥエ スリーデイズ オートマティック チタニオ 45mm

    ●自動巻き(パネライ自社製P.4000キャリバー)、チタン、ケース径45mm、パワーリザーブ72時間、シースルーバック、タングステン合金製オフセンターローター、アリゲーター革ストラップ、3気圧防水。¥1,328,400(税込)

  • ルミノール ドゥエ スリーデイズ オートマティック アッチャイオ 38mm

    ●自動巻き、316Lステンレス・スチール、ケース径38mm、ケース厚11.20mm、パワーリザーブ72時間、スモールセコンド、アイボリーダイヤル、夜光インデックス、カーフ革ストラップ、30ⅿ防水。¥723,600(税込)

●オフィチーネパネライ TEL:0120-18-7110