シーズン到来、フェスに行くなら新型ラングラー!? 後輪駆動の喜びに、その楽しみはアンリミテッド!

    Share:

    東京車日記いっそこのままクルマれたい!

    第83回 JEEP WRANGLER UNLIMITED SPORT/ ジープ ラングラー アンリミテッド スポーツ

    シーズン到来、フェスに行くなら新型ラングラー!? 後輪駆動の喜びに、その楽しみはアンリミテッド!

    構成・文:青木雄介

    編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

    見よ、このリジットアクスル感。ラングラーは悪路走破性ありきのブランドだ。

    ジープの代名詞、ラングラーが11年ぶりにモデルチェンジを行った。4ドアのアンリミテッドが登場したのも前回のモデルチェンジの時で、試乗してみて「これは間違いなく売れる」と胸が高鳴った。というのも当時、2ドアのラングラーは見た目も乗り味も正統派のクロカン4駆だけどハードコアすぎて、モノ好きのためのギアという先入観を打ち破れずにいたんだ。「カッコいい」とは思ってても、リアルに自分が買うクルマと認識されないっていうのかな。4ドアのアンリミテッドは、そんな2ドアで幌を外したロールバーむき出しの“ジープ”の印象から、11年かけて乗り心地も悪くない“リアルな大型SUV”ぐらいまで、ラングラーのイメージを変えてきたのだ。
    もちろん現在、ラングラーの主力はアンリミテッドで、2ドアは日本においては受注生産になった。親会社もダイムラー・クライスラーからフィアット・クライスラーに変わった。個人的にも2012年にイタリアの名門サッカークラブ、ユヴェントスの胸スポンサーがジープに変わったのは衝撃だった。アメリカの文化遺産がイタリアへっていう象徴的な出来事だったよね。
    とはいえ車両は変わらずアメリカのオンタリオ州で製造してるし、ラダーフレーム構造にリジットアクスル(固定車軸)で堅牢さやタフな走破性も変わらず。今回、先代のJK型から最新のJL型に変更されて断然よくなったのは、アンリミテッドというプロダクトの深化に他ならないんだ。

    本格派SUVが果たした、正常進化による深化とは。

    まず今回、2Lのクライスラー製直列4気筒ターボエンジンが新しく搭載されたんだけど、これが個人的にもベストバイ。馬力はわずかにV6モデルに及ばないものの、最大トルクは余裕で上をいく。アルファロメオのジュリアやステルヴィオにも採用されてるエンジンで、とてもトルクフル(その名もハリケーンターボ)。軽量化された車体とあいまって、新装備となるセレクトラックフルタイム4×4システムとの相性も抜群なんだ。先代初期のJK型だと街乗りはほぼ2駆で走る仕様だったけど、新型はフルタイム4駆が推奨で安定感もあり快適。長距離を運転してもホント疲れなくなったね。

    さらにお楽しみがあって、望外に2駆(後輪駆動)での峠の走りが楽しい。これはフラットに強大なトルクを発生させられるターボの恩恵だね。エンジンが小さいからノーズも軽くなったし、燃費もいい。全体が軽量化の恩恵をもろに受けてて、想像以上にキレがあってびっくりしたんだよね。走り始めて速攻で、スタッドレスタイヤをノーマルに履き替えたくなった。まぁこれは新型のオーナーだけが知る、隠れボーナスみたいな楽しみですよ(笑)。
    その面倒くささからか、日本でアンリミテッドの屋根のハードカバーを外して走ってる人って見たことないよね。でも新型は脱着しやすくなったことだし、これからの季節はオープンエアで海に山にと使い倒したいところ。もともとはフロントウィンドーを前に倒して、風をバイクのように感じられるところがオールドジープならではの乗り方。ラングラーになった現在でも、オープンにして道なき道を突き進むのが醍醐味ですよ。その行き帰りは走りも楽しめるんだから、苗場に続く三国峠を走りつつ、今年のフェスに行くべきクルマ“フェス・カー・オブ・ザ・イヤー”は「新型ラングラーで決まり」って思ったよね(笑)。

    • 伝統的な仕様の7スロットグリルと丸目ヘッドライト。

    • スクエアなサイドミラーが存在感を発揮。

    • フロントガラスがハンドルから近いのもラングラーの特徴。

    • シフトノブには初代ジープのシルエットが配されている。

    • ヒンジがむき出しのドアが不変のスタイル。一般的なSUVに比べて車高は高くない。

    • リアのシグナルランプもスクエアで、フロントと対をなしている。

    ●サイズ(全長×全幅×全高):4870×1895×1845mm
    ●エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
    ●排気量:1995cc
    ●最高出力:272PS/5250rpm
    ●駆動方式:4WD(フロントエンジン4輪駆動)
    ●車両価格:¥5,043,600(税込)

    問い合わせ先/ジープフリーコール
    TEL:0120-712-812
    www.jeep-japan.com