ランボルギーニ ウルスがシーンの火種になる!?ペトロールヘッズが熱狂する、スーパーSUVとは。

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    東京車日記いっそこのままクルマれたい!

    第82回 LAMBORGHINI URUS/ ランボルギーニ ウルス

    ランボルギーニ ウルスがシーンの火種になる!?ペトロールヘッズが熱狂する、スーパーSUVとは。

    構成・文:青木雄介

    編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

    ランボルギーニの哲学を全身で表現したスタイリング。

    ついにスーパースポーツの名門であるランボルギーニから、ウルスが発売された。メーカーの言葉を借りれば、“世界初のスーパーSUV”。ポルシェのカイエンもそうだけど、根っからのスポーツカーブランドがSUVを発売するのは大きな賭けになる。その点ポルシェはもちろん、マセラティやジャガーも卒なくこなした感があるけど、ランボルギーニは違う。アヴェンタドールでスーパースポーツのあるべき非日常性を示した同ブランドには、当然守らなきゃならない「ランボルギーニらしさ」があると思っている。
    これって音楽業界とも似てて、たとえば骨太のヒップホップで鳴らした名門レーベルがイケメンを揃えたアイドルユニットを出したら、「セルアウト」と言われて大ひんしゅくを買うのと一緒。このご時世、ヘイターと呼ばれるアンチを生み出し、既存車種のイメージダウンも引き起こしかねない。まぁその点、ランボルギーニは懐が深くて、1980年代にLM002と呼ばれる“モンスター”SUVを発売したこともある。それはそれでペトロールヘッズ(ガソリンエンジン至上主義者)に愛されていたりするんだけど、出せば売れるいま時のSUVとは別だよね。
    そんな自分がヘイターになるかもという一抹の不安を抱きながら、ウルスのハンドルを握った。すると予想以上のランボルギーニぶりに、「ヘイターどもは逃げ出しな」って感じですよ(笑)。神の見えざる手ともいうべきフォルクスワーゲングループの技術の粋を集めて、ランボルギーニのブランド自体がスケールアップしたんだ。「これがメジャーの力だ!」って高笑いするみたいなね(笑)。ともかくその完成度は、収録曲すべてに売れっ子プロデューサーが揃い踏みした感がある。

    今後の潮流を指し示す、かつてないSUVが登場。

    たとえば通常のドライブモードであるストラーダにすると、アルミの軽量高剛性ボディにターボが効いてる4駆の走りで、アウディのスポーツモデルみたいに恐ろしく乗りやすい。もちろん本領はその先のスポルトやレースモードであるコルサにあって、この視座の高さでは経験しえなかったスポーツドライビングの領域に踏み込んでいる。骨太のV8サウンドといい、加速はその名の通りウルス(闘牛)そのもの。でもロデオの暴れ牛ではなくて、箱根の旧国道1号のようなナローで連続するワインディングでも、その巨体をもて余すことはまったくないんだ。

    深いストロークで平衡を保ち、エアサスの上質な足まわりでコーナリングを攻められるのには脱帽したし、小気味よいハンドリングを生み出すリアアクスル(後輪操舵)と、反発で衝撃を相殺しているようなエアサスはベントレーを感じる。もはや幅広のトロフィートラック的な、SUVならではのワイルドな乗り味はK点越えって感じ(笑)。大型SUVなのにライトウェイトで高級車の特性をもつウルスは、新たな地平を切り開いたと断言したい。
    これらはランボルギーニを超える体験であり、その先のイメージだって確実にある。レイアウト的には難しいかもしれないけど、やっぱり至宝のV12自然吸気エンジンを搭載したウルス版アヴェンタドールを期待したくなるよね。ここまで裾野を広げて「ウルスを超えるのはウルスだけ」って領域に到達したのだから、その頂点はもっと高くなる。やっぱりランボルギーニには、そういう夢を託せるメーカーであり続けてほしいじゃない。

    • ブランドのモチーフであるハニカム形を基調とした内装。

    • 走行モードはオンロード用3つと、オフロード用3つから選択可能。

    • 市販車最大サイズのカーボンセラミックブレーキが標準装備される。

    • 後部座席は余裕のスペースと一体感が魅力。

    • 最大23インチのホイールにピレリ製の専用タイヤを装着。

    • 光と影が織りなす、ウルスの特徴的なキャラクターライン。

    ●サイズ(全長×全幅×全高):5112×2016×1638mm
    ●エンジン形式:90度V型8気筒DOHCツインターボ
    ●排気量:3996cc
    ●最高出力:650PS/6000rpm
    ●駆動方式:4WD(フロントエンジン4輪駆動)
    ●車両価格:¥28,161,795(税込)

    問い合わせ先/ランボルギーニ カスタマーセンター
    TEL:0120-988-889
    www.lamborghini.com