行き着く先は60年代シックか、70年代アヴァンギャルドか。
両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川 淳

行き着く先は60年代シックか、70年代アヴァンギャルドか。

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GIRARD-PERREGAUX
ジラール・ペルゴ

好きなタイプの時計を追い求めた結果、最後にはジラール・ペルゴに行き着いた。そんな話をなんども聞いてきた。欲しいと思わせる時計を絶妙のタイミングで出せるセンスの原動力は“ムーブメント製作能力の高さ”だ。基幹ムーブメントであるGP03300のシリーズも、ジラール・ペルゴの大きな魅力である。
今年の新作で登場したのは「GP 1966 ラージデイト・ムーンフェイズ」。くだんのムーブメントに、月相表示とアウトサイズの日付を組み込んだ。0.1mmの透明ディスクを使った“ラージデイト”は桁の間の継ぎ目を感じさせず、日付を送る真夜中には1万分の1秒で瞬転する。ムーンフェイズは星も月もソリッドな質感の別体。嵩高いはずの装置を2つ重ねても着け心地に響かないのは、スリムなムーブメントの功績だ。1966年モデルに範を採ったコレクションのノーブルな青フェイス、スタイリッシュな革ストラップが、ドレスシャツの袖口に映える。
一方、「ロレアート 38mm クロノグラフ」も同系列のムーブメントをエンジンとしながら、まったく別の魅力をもつ。初代が75年に登場したコレクション“ロレアート”のクロノグラフは、42mm版と並んで38mmのバージョンをラインアップし、サイズ多様化の流行を的確に捉えた。ブラック文字盤の全面を鋲状のクル・ド・パリで仕上げ、3つのサブシダリー・ダイヤルは7重の同心円を刻んだブルー。白い蓄光塗料を流すインデックスは、外周リングから飛び込み台のように張り出し、立体のダイナミズムを強調する。
60年代のシックと70年代のアヴァンギャルドは、どちらもタイムレス。その魅力を、七変化する名優ムーブメントで演じ分けるジラール・ペルゴ。最後に行き着く腕時計といわれるのも納得の逸品だ。

  • ロレアート 38mm クロノグラフ

    ●自動巻き、クロノグラフ、自社製ムーブメントGP03300-0134搭載、904Lステンレス・スチール、ケース径38mm、ケース厚11.08mm、パワーリザーブ約46時間、クル・ド・パリ仕上げ文字盤、SS製ブレスレット、100ⅿ防水。¥1,652,400(税込)

  • GP 1966 ラージデイト・ムーンフェイズ

    ●自動巻き自社製ムーブメントGP03300-0153搭載、18Kピンクゴールド、ケース径40mm、パワーリザーブ約46時間、ムーンフェイズ表示、ラージデイト、サファイアクリスタルケースバック、アリゲーター革ストラップ、30ⅿ防水。¥2,343,600(税込)

●ソーウインドジャパン TEL:03-5211-1791

行き着く先は60年代シックか、70年代アヴァンギャルドか。

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