「スティーブン アラン」とは、ニューヨーク発信のセレクトショップであり、同名のオーナーが手がけるファッションブランドでもあります。日本では「ユナイテッドアローズ（以下、UA）」がディストリビューターになり、2013年4月に国内第1号店「スティーブン アラン トーキョー」を渋谷にオープン。その後全国各地に店舗展開を広げています。UA設立25周年記念のパーティ・イベントや視察のため来日したスティーブン・アラン氏に、ブランドのフィロソフィーや、新しく立ちあげたアイウェア・ラインについて伺いました。

日本では、アメリカ本国から輸入したアイテムと日本での独自企画をミックスして、セレクト品を加えた商品展開になっています。「UAは信頼できるパーフェクトなパートナーなので、ニューヨークの工場製の服と日本企画のものとを一緒に並べることにしました。手に届きやすい価格にしたかったことも大きな理由です」と、アラン氏。

「いまでは日本の服を逆輸入してアメリカの店に置くこともあります。ブランドのテイストは、クラシック・モダンなニューヨーク・スタイル。私はニューヨークの街で生まれ育ち、ファッションの道に進みました。ここでは、隣同士の人々がローカルに結びついて生活しています。そんな人たちが日常的に着やすい服を店で扱っています。高級車のBMWが普遍的なモデルを常にアップデートしているように、私のコレクションも毎シーズン、異なる姿を表現しています」

彼がいま力を入れているのが、アイウェア「スティーブン アラン オプティカル」。日本とイタリアの素材が使われており、スティーブン アラン トーキョーとオンラインショップで購入できます。「長く構想を練り、アメリカでは昨年4月から販売を始めました。工場とのやり取りを繰り返してつくり上げた自信作です。ビンテージにインスパイアされた、アメリカン・クラシックなアイウェアです。これも手頃な価格になっていますし、多くの人に使っていただけると期待しています」。

本国では処方箋をもとに度付きのアイウェアにして販売する試みも行っています。日本では購入したフレームを提携する眼鏡店に持って行くことで度付きのレンズを入れられます。94年に創業して以来、第一線で活躍し続けるスティーブン・アラン氏の新たなチャレンジは、ファンならずとも要チェックです。（写真ともに 高橋一史）