無地Tシャツならウールを選ぶのが、2020年版大人の新ルール

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    構成、文:高橋一史
    写真:加藤佳男

    Vol.84 無地Tシャツならウールを選ぶのが、2020年版大人の新ルール

    icebreaker

    Tシャツをゆったりと羽織る服装の流行が続いています。大人も若者も皆一様に、Tシャツ、Tシャツ……。ここで鍵となるのは、人気の主流がプリントでなく無地ということ。アメトラにおけるボタンダウンシャツのごとく、現代のスポーティスタイルのトップスがTシャツなのです。その人気を象徴する出来事が、体が透けるTシャツを男性が着るための専用インナーの登場。下着メーカーによる提案ですが、インナーが透けた姿がアリかナシかは好みが分かれそうです。

    ただし服の2枚重ねなら、見栄えよく着こなしやすいでしょう。そこで1ランク上を目指す大人諸氏にご紹介するのが、ウール素材のTシャツ。ウールの機能性を引き出すなら本来はこれ一枚で過ごすのが望ましいですが、夏のセーターとして内側にコットンTシャツをレイヤードするのもいいものです。

    ウールを選ぶメリットは主に3つ。1. 布が流れるドレープがエレガント。2. 天然の抗菌性・防臭性・通気性があり、汗で臭わず爽やか。3. 汚れがつきにくく、襟も洗濯で型崩れしにくい。さらに、ウールは羊から刈り取る動物性の糸ですから、綿花の栽培のような大量の水を必要としないサステイナブル素材です。いまの時代感とも合致する、知的な選択でもあるのです。

    ここに掲載しているTシャツは、ニュージーランド産メリノウールの製品でアウトドアシーンでも知られるアイスブレーカーのもの。日本ではゴールドウインが輸入代理業務を担っています。上写真のオレンジのTシャツは、新シリーズ「ネイチャーダイ」の一着。これに使われた菜の花をはじめ、つくし、ブルーベリー、ビーツなど植物由来の原料を用いて日本で染められました。ナイロンの芯にウールを巻きつけた糸で編まれたニット地はハリがあり、肌触りもさらさら。洗濯機での水洗いも可能な日常の贅沢品です。

    上写真のベーシックな長袖Tシャツ2着も、ナイロン芯にメリノウールを巻きつけた糸で編まれており、素材の比率はウール87%・ナイロン13%。ウール素材が醸す上質感を、胸ポケットでカジュアルにドレスダウンしたデザインです。気取らず親しみやすく、通年で着やすいウールTシャツです。

    左のグレー長袖Tシャツ ¥10,780(税込)、右のボーダー長袖Tシャツ ¥12,100(税込)/アイスブレーカー(ゴールドウイン カスタマーサービス TEL:0120-307-560)

    photo © icebreaker

    上写真はネイチャーダイによる淡い染色の原料。この色にはつくしが使われました。同シリーズをはじめアイスブレーカーの販売先は主に、登山・アウトドア用品を扱うスポーツショップや百貨店。ウールのTシャツは体温を調整し臭いを防ぐ機能が尊ばれ、何日も同じ服を着続ける登山者が着用してきた歴史があります。ファッションのセレクトショップでは取り扱いが少ないので、探すときはどうぞご留意を!

    メリノウールのネイチャーダイの色バリエーション(左から2番目のみ長袖)。染色原料は左から、菜の花、つくし、ブルーベリー、ビーツ。半袖Tシャツ 各¥14,300(税込)、長袖Tシャツ ¥18,150(税込)/アイスブレーカー(ゴールドウイン カスタマーサービス TEL:0120-307-560)

    アイスブレーカー
    www.goldwin.co.jp/icebreaker/