さらりと羽織る快適ロングアウターで、ニッポンの秋を優雅に味わって。

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    構成、文:高橋一史
    写真:宇田川 淳

    Vol.67 さらりと羽織る快適ロングアウターで、ニッポンの秋を優雅に味わって。

    COMOLI

    ルーズフィットの流行に伴い、新定番と呼べるほど人気が定着したのが着丈の長いアイテムです。膝下まであるロングシャツ、腰を覆うカーディガンなどを街で目にする機会も増えました。こうした服は男女が似た服装をする近年のジェンダーレス・スタイルともリンクしています。そこでいま、旬の着こなしのために手に入れたいのがロングアウターです。

    お薦めの着方は、肩に乗せるようなラフなスタイリング。着物に重ねる「羽織」をイメージして、日本の大人男性ならではの小粋な表情を愉しみましょう。ここにセレクトした3着は、秋の風を感じる季節にぴったりなデザインのものです。まず最初にお届けするのは上写真の一着。チェスターフィールドコートのようですが、胸の箱ポケットやサイドのフラップポケットはジャケットのディテール。ジャケットの裾を長く伸ばしたような軽快な服で、どんな服装にも合わせやすくなっています。

    表地はふわりとソフトなナイロン・シルクで、裏地もレーヨン・シルク。袖を通せばわかる肌触りのよさも自慢です。吸湿発熱効果のある芯を中綿として使い、その風合いは日本古来の「どてら」や布団を思わせます。カジュアルな製品染め仕上げのこのアウターは、家の中でも着たくなるほど愛着の湧くワードローブになるでしょう。

    RAINMAKER

    続けてご紹介するのは、まるで和服のように凛々しいアウター。京都を拠点にシックな服づくりを行っている「レインメーカー」のものです。着物に近い襟を持ち、前合わせはひとつボタンで肩はラグラン袖。両サイドには縦切りのポケットもついています。さらに素材はスポーティで伸縮性のあるナイロン・ポリウレタン。西洋とニッポンが融合したこの一着を、ドレスシャツで上品に、Tシャツでカジュアルにと自由な発想で着こなしましょう。

    黒の化繊アウター  ¥58,800(税抜)、Vネックストライプシャツ ¥38,800(税抜)/レインメーカー(TEL : 075-708-2280)

    suzuki takayuki

    今年こそ男性も、ウィンターホワイトを。冬に白服を着る憧れを叶える一着が登場しました。麻・ウールの素朴な生地をたっぷりと使った一重仕立てのコートです。デザインのベースはモッズコート。フードが取り外されエレガントな立ち襟にアレンジされました。色は生成りに近い穏やかさで、シャツのごとく数が多いボタンが軽妙な味わいを高めています。元が軍モノという親しみやすさもあるこの白アウターこそ、大人男性の装いをリフレッシュさせる価値ある一着です。

    生成りのボリュームアウター  ¥65,000(税抜)、黒のロングシャツ ¥38,000(税抜)/スズキ タカユキ(TEL : 03-5846-9114)

    ブランドネームがついた内ポケット。製品染めにより全体がほどよく馴染んでいます。

    記事冒頭のネイビーアウター  ¥78,000(税抜)、タートルネックニット ¥30,000(税抜)/コモリ(ワグ インク TEL : 03-5791-1501)